イスラム圏の国の女性には厳しい制約があり、肌を見せるだけで大変な問題になったり、車の運転免許証を取得することにも物議となっている事実がある。
地球上で宗教の違いで女性という立場で虐げられることは人間社会としてはおかしいと言うべきで、「女性に教育は必要ない」と暴言を吐いた人物もいるので困ったものである。
女性に優しい社会をという言葉がある、その具現化している代表的なことが「ピンクリボン運動」で、1980年代にアメリカで始まったものである。
大切な家族を「乳がん」で失ってしまい悲嘆にくれる遺族達がその思いを「ピンクのリボン」に託して、同じ思いをする人がなくなるようにと願って始まった運動だが、行政、企業、市民団体なども協力をしてリボンをあしらった商品を啓蒙のために頒布して、その一部を活動のために研究機関などに寄贈する運動になっている。
我が日本でも女性の下着メーカーの大手企業が積極的に協力に取り組んでいるが、ホテルや旅館業界でも女将会運動を中心にして手術跡のある女性が大浴場に入浴出来るようにと入浴着などを開発したり、貸切風呂を無料にして対応しているケースもあるが、今日のニュースでは熱海温泉の奥座敷と言われている湯河原温泉の女将会がイベントを行い、「乳がん」を体験された方々を特別に優待するような企画を打ち出していた。
全国にある多くのホテルや旅館でもHPに「ピンクリボン運動に賛同した対応を致しております」と明記しているところも多く、晴美の旅館も随分前から取り組んでおり、独自に開発した入浴着を準備し、大浴場の脱衣場にも「ピンクリボン運動に関しまして」という啓蒙のポスターを掲示している。
予約時にピンクリボンの事実を伝えてくださるお客様もあるが、到着されてからフロント横に掲げられているポスターをご覧になって「そんなことがあるの!」と初めて知られて仲居が部屋に案内をした際に相談をされ、詳しく説明すると大層喜ばれることになった出来事も起きている。
晴美がこの運動を知ったのはもう20年以上前のことだが、旅館組合の女将会の研修旅行でそれを積極的に進めている旅館に実際に体験し、戻ってからすぐに取り組んだ歴史もあるが、その時に講演をしてくれた講師が言った「乳がんは12人に1人が発病する恐ろしい病気で、早期発見、早期治療が重要で是非皆さんも啓蒙していただきたいものです」ということだったが、それから晴美を始め仲居達女性スタッフが定期的に検診を受けることになっている。
「おもてなし」や「ホスピタリティー」がホテルや旅館には重要だと指摘されているが
高齢者に優しい設備であるバリアフリー化も当然だが、「赤ちゃんに優しい旅館」「妊婦にやさしい旅館」というキャッチコピーを目にすることも増え、中には「初めてママになられる女性を歓迎します」と打ち出している旅館も登場している。
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