随分と昔の話だが、頭が真っ白になった体験があった。ある不思議なご仏縁から遠方の方の葬儀を担当させていただいた。ある宗派の総本山が式場だった、お通夜が始まる30分ほど前、黒塗りのハイヤーらしき車が到着、降りて来られたのは僧衣姿が4人。ナンバープレートは他府県。新聞やテレビの番組で何度か目にした人物もおられ、なぜ来られたのかは不明だった。
喪主さんに確認してみるとびっくりすることが判明した。故人がその古刹の元管長だった方の弟さんだったことを教えられた。
そんな事情を控室に来られていた導師を務められるお寺様に伝えたら、初めて知られたようで「失礼のないように」とお通夜での式次第やお席の配置を打ち合わせた。
他宗のお寺様がご弔問やご会葬に来られた体験は何度もしている。ご住職を送る寺葬の際にも各種団体代表者の指名焼香を始める前に宗教者関係を優先する次第はプロとしての信念として貫いていたが、その時は導師も緊張される環境となり、果たしてどうなるかと心配だった。
急遽別室を用意してご休憩いただき、打ち合わせに参上したが、「今日と明日は参列という立場なので導師の方にご迷惑が及ばないように願います」と言われたのだが、先に導師と打ち合わせした通りのことを伝え、参列者席ではなく寺院席にご着席いただき、焼香の案内もさせていただくということでご納得を頂戴した。
そして、お通夜と葬儀が終わり、それから日が経って満中陰の日を迎えた。大阪市内の大規模ホテルで「法要」と「御斎」が行われることになり、その古刹の現管長さんも出席された。
喪主さんから「献杯のご発声を」とのご依頼があり、その旨をご本人に伝えてご了承を得たが、法要が終わって「御斎」になってから予想もしなかったハプニングが起きたのである。
喪主さんの「謝辞」が終わって「御斎」の会食が始まるのだが、「ここでホテルスタッフが入って参りましてご献杯の準備を進めます。恐れ入りますが、ご準備が整いましたお方様からご起立くださいませ」とアナウンスを入れ、その管長さんのお名前を申し上げてご祭壇の横に設置してあったスタンドマイクのところへホテルスタッフが誘導された。
もちろん別のホテルスタッフがビールを注がれたグラスをお盆に載せて待機している。ご挨拶をされていよいよ「献杯」に入る時に手渡すシナリオだが、ここで大変なことが起きた。
そのご挨拶の内容は故人のお人柄などを交えた如何にも管長さんらしいお話だったが、「ではご準備を」と言われた次の言葉は「献杯」ではなく「乾杯」だったからで、すぐにミスを謝罪撤回されて「献杯」と言い直されたが、会場内に生まれた何とも言えない空気は今でも思い出してしまう複雑なものだった。
今日の写真は長野新幹線の安中榛名駅。周囲に何もないところだし、玄関から中へ入ると切符売り場の前にゴルフのパターの練習が出来るようになっており、ボールやパターも存在していた。「舌切り雀」の伝説で知られる「礒部温泉」の帰路に長野駅まで行くのに利用した。
喪主さんに確認してみるとびっくりすることが判明した。故人がその古刹の元管長だった方の弟さんだったことを教えられた。
そんな事情を控室に来られていた導師を務められるお寺様に伝えたら、初めて知られたようで「失礼のないように」とお通夜での式次第やお席の配置を打ち合わせた。
他宗のお寺様がご弔問やご会葬に来られた体験は何度もしている。ご住職を送る寺葬の際にも各種団体代表者の指名焼香を始める前に宗教者関係を優先する次第はプロとしての信念として貫いていたが、その時は導師も緊張される環境となり、果たしてどうなるかと心配だった。
急遽別室を用意してご休憩いただき、打ち合わせに参上したが、「今日と明日は参列という立場なので導師の方にご迷惑が及ばないように願います」と言われたのだが、先に導師と打ち合わせした通りのことを伝え、参列者席ではなく寺院席にご着席いただき、焼香の案内もさせていただくということでご納得を頂戴した。
そして、お通夜と葬儀が終わり、それから日が経って満中陰の日を迎えた。大阪市内の大規模ホテルで「法要」と「御斎」が行われることになり、その古刹の現管長さんも出席された。
喪主さんから「献杯のご発声を」とのご依頼があり、その旨をご本人に伝えてご了承を得たが、法要が終わって「御斎」になってから予想もしなかったハプニングが起きたのである。
喪主さんの「謝辞」が終わって「御斎」の会食が始まるのだが、「ここでホテルスタッフが入って参りましてご献杯の準備を進めます。恐れ入りますが、ご準備が整いましたお方様からご起立くださいませ」とアナウンスを入れ、その管長さんのお名前を申し上げてご祭壇の横に設置してあったスタンドマイクのところへホテルスタッフが誘導された。
もちろん別のホテルスタッフがビールを注がれたグラスをお盆に載せて待機している。ご挨拶をされていよいよ「献杯」に入る時に手渡すシナリオだが、ここで大変なことが起きた。
そのご挨拶の内容は故人のお人柄などを交えた如何にも管長さんらしいお話だったが、「ではご準備を」と言われた次の言葉は「献杯」ではなく「乾杯」だったからで、すぐにミスを謝罪撤回されて「献杯」と言い直されたが、会場内に生まれた何とも言えない空気は今でも思い出してしまう複雑なものだった。
今日の写真は長野新幹線の安中榛名駅。周囲に何もないところだし、玄関から中へ入ると切符売り場の前にゴルフのパターの練習が出来るようになっており、ボールやパターも存在していた。「舌切り雀」の伝説で知られる「礒部温泉」の帰路に長野駅まで行くのに利用した。
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