山口県は歴代の総理が多く輩出している。そんな山口県内の山間部に美登里が女将をしている旅館がある、
車で30分程離れたところに有名な湯田温泉があるが、幕末の志士達が立ち寄ったことでも知られている。
今月に安倍総理が地元へ来られた際、プーチン大統領をこの山口の地へ迎えたいと言われていたが、数日前に政府の関係者からそれが実現するような発表もあった。
そのニュースが流れると県の観光課の担当者が旅館組合にやって来て、組合長や役員に今後の宿泊者に関する情報を出来るだけ把握し、不審な人物が宿泊した際には警察に知らせて欲しいという依頼があった。
国家元首やⅤIPを迎えるには警備も大変だが、世界中でテロが発生しているので気を付けなければならないということだった。
温泉地から日本海側へ行くと、長門市の仙崎に出るが、ここには美登里の大好きな詩人「金子みすゞ」の出身地で、記念館も存在するので何度か行ったこともある。
仙崎から橋を渡ると「青海島」になるが、この島には「西圓寺」と「向岸寺」があり、300年前から鯨の捕獲に関して戒名を授け、過去帳に記して毎年法要を行っている。
美登里はプーチン大統領が訪日され、もしもこの山口の地へ来られたら、果たして「金子みすゞ」の誌をどのように感じられるかと興味を抱いている。
前述した鯨の法要に関しても「金子みすゞ」が詩で採り上げているが、通訳を担当される人物が彼女の詩や鯨の文化に関してしっかりと勉強して欲しいと思っていた。
山口県内のJRに「みすゞ潮菜」号が2007年から運転されているし、観光列車として運転されている「SLやまぐち号」も有名である。
昔、この県内を走る快速列車で珍しい列車が存在していた。鳥取から下関を経て北九州を結ぶ急行「さんべ」で、途中で分割されて別の路線を走行し、また会って連結されるという不思議な列車で、離婚と再婚列車と呼ばれていた。
山口県には面白い歴史がある。浜辺に流れ着いた木の種を植えたら夏みかんの木になり、そこから全国へ広がったと言われている。
また、世界三大美女の一人「楊貴妃」に関する伝説もあり、楊貴妃の墓が存在していることも有名だ。楊貴妃が国を追われて船で逃げ、山口県の海岸に流れ着いて息絶えたという悲しい伝説で、クジラの墓と共にこの地を訪れた人達が参拝している。
美登里が傾倒している歴史的な人物がもう一人いる。それは放浪の言葉で知られている種田山頭火で、山口駅の東口側の広場に銅像が建立されているが、何かの本を読んだ時、旅が楽しいのは戻る家の存在があるからで、それがなければ放浪だというものであった。
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