別府と阿蘇を結ぶ「やまなみハイウェー」は何十回と走ったことがある道路だが、「ハイウェー」と言っても高速道路ではない。
城嶋高原や由布院を通って熊本県側に向かうと、左手に山下湖という美しい湖があり、湖畔に九重レークサイドというホテルがあった。
「あった」と過去形にしたのは随分前に廃業してしまったからだが、リゾート的なこのホテルがお気に入りであった。
開業したのは1965年で、初めて利用したのは1971年のこと。その後に何度か利用したことがあったのに、1975年の4月に発生した大分県中部地震によって1階部分が崩壊し、4階建ての建物が3階建てになってしまったニュース映像に衝撃を受けてしまった思い出がある。
その後に新しく建設されてオープンしたが、初代の建物のイメージは全くなくなってしまい、人生の思い出の1ページが消えてしまったように思えて残念である。
初めて利用した際の夕食は食事処へ案内されて「すき焼き」が用意さていた。「すき焼き」は「割り下」を持ちいる用いないで「関東風」「関西風」と両方あるが、そこは「割り下」のない関西風だった。
自分達の好みでセルフ対応となっていたが、ちょっと醤油と砂糖のバランスがおかしくてなって食べられるものではなかったので忘れられない。
すき焼きは何度か失敗したことがある。自宅で味付けをしたのだが、塩と砂糖を間違って準備されていたところからとんでもないことになり、味見をした時のショックは今で強烈に焼き付いている。
恥ずかしい話だが、水洗いをしたらどうだろうと試したが、塩味となったものは元には戻らず、勿体ないことだが改めて知り合いの精肉店で購入に行ったら、「人数が増えたのですか?」と聞かれて事情を白状したら笑われた。
また、他府県に在住する友人を訪ねたら、歓待されて「すき焼き」となったのだが、砂糖と醤油を入れて味見をしていた友人が「醤油を入れ過ぎた。砂糖を入れてくれ」というのでスプーンで3杯ほど入れたらひどい筈で、それは砂糖ではなく塩だった。
そんな「苦い」体験から、我が家の砂糖は白糖ではなく茶色のザラメ糖にしている。
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