旅の恥は掻き捨てなんて言葉があるが、私にとって忘れられない恥ずかしい体験があるので再掲しておこう。
随分昔の話だが、出張の際に函館に立ち寄ることになり、函館在住の知人に電話を入れてホテルの予約を依頼したのだが、予約してくれたホテルのフロントでチェックインをしていると「お預かりしております」と託されていたというメッセージを出された。
エレベーターに乗って自室に入り、メールを確認するためにパソコンを開き、それからメッセージを開くことになったのだが、そこには次のように書かれていた。
「851号室が予約出来ずに残念ですが、真下の751号室でお許しください」
これで意味が分かる人なら大した文学者と言えるだろうが、そうでない私にはどういう意味かは全く不明であった。
ホテル名は函館ロイヤルホテルで、帰阪してからお礼の電話と共にその意味について確認したら、その解答となる書物が数日後に送られて来た。
芥川賞を受賞された作家「辻仁成」氏著の「函館物語」で、ページを開けて読んで行くと851号室から見える函館の景色が好きで定宿としておられることを知った。
世の中に知らないことは多いが、教養に関する分野が疎いので恥ずかしい。
そんなことにつながる話題をもう一つ。これは、今春に四国のお寺へ団参した際に触れていたことと同じことだが、ある和室の床の間に掛けられてあった掛け軸の絵が不思議なものという物語である。
部屋に通された人物がその絵を観て「これは?」と尋ねると、案内してくれた主人が「涅槃に因みまして」と返した。
絵は巾着袋が枝に引っ掛かった光景を描いたものだが、それは、お釈迦様の涅槃図に出て来る立派な巾着袋である。体調を崩されたお釈迦様のために天上におられたお母様が薬の入った袋を地上へ落とされたのだが、運悪く枝に引っ掛かってしまったという場面を表わしたもので、お釈迦様のような方でもどうにもならないことがあるという教えと言われているが、その枝の巾着袋を何とか落とそうと木の根元を齧り出したのがネズミだったが、それを邪魔しに行ったのが猫と言われ、涅槃図には猫が描かれていないのはそれが原因と言われているが、猫が描かれている涅槃図も数は少ないが存在している事実があるので興味深い。
今日の写真は函館ロイヤルホテル。皆さんも函館に行かれたらこのホテルの851号室へどうぞ。
随分昔の話だが、出張の際に函館に立ち寄ることになり、函館在住の知人に電話を入れてホテルの予約を依頼したのだが、予約してくれたホテルのフロントでチェックインをしていると「お預かりしております」と託されていたというメッセージを出された。
エレベーターに乗って自室に入り、メールを確認するためにパソコンを開き、それからメッセージを開くことになったのだが、そこには次のように書かれていた。
「851号室が予約出来ずに残念ですが、真下の751号室でお許しください」
これで意味が分かる人なら大した文学者と言えるだろうが、そうでない私にはどういう意味かは全く不明であった。
ホテル名は函館ロイヤルホテルで、帰阪してからお礼の電話と共にその意味について確認したら、その解答となる書物が数日後に送られて来た。
芥川賞を受賞された作家「辻仁成」氏著の「函館物語」で、ページを開けて読んで行くと851号室から見える函館の景色が好きで定宿としておられることを知った。
世の中に知らないことは多いが、教養に関する分野が疎いので恥ずかしい。
そんなことにつながる話題をもう一つ。これは、今春に四国のお寺へ団参した際に触れていたことと同じことだが、ある和室の床の間に掛けられてあった掛け軸の絵が不思議なものという物語である。
部屋に通された人物がその絵を観て「これは?」と尋ねると、案内してくれた主人が「涅槃に因みまして」と返した。
絵は巾着袋が枝に引っ掛かった光景を描いたものだが、それは、お釈迦様の涅槃図に出て来る立派な巾着袋である。体調を崩されたお釈迦様のために天上におられたお母様が薬の入った袋を地上へ落とされたのだが、運悪く枝に引っ掛かってしまったという場面を表わしたもので、お釈迦様のような方でもどうにもならないことがあるという教えと言われているが、その枝の巾着袋を何とか落とそうと木の根元を齧り出したのがネズミだったが、それを邪魔しに行ったのが猫と言われ、涅槃図には猫が描かれていないのはそれが原因と言われているが、猫が描かれている涅槃図も数は少ないが存在している事実があるので興味深い。
今日の写真は函館ロイヤルホテル。皆さんも函館に行かれたらこのホテルの851号室へどうぞ。
コメントはこちらから
あなたの心に浮かんだ「ひと言」が、誰かやあなた自身を幸せに導くことがあります。
このコラム「ふと思い出したこと」へのコメントを投稿してください。