旅行会社が企画する定期的な情報誌のツアーの指定旅館として依頼されることもあり、その時はその企画のための料理を提案して撮影する必要があり、料理長と打ち合わせをすることもあるので大変である。
華栄が女将をしている旅館はJRとの提携も結んでおり、ジパング倶楽部の情報誌の企画に協力することも多く、これまでに何度も情報誌に掲載されたことがあった。
ジパング倶楽部に入会されている会員さんは高齢者の中でも団塊世代の方が多く、旅慣れていることから特に神経を遣って対応しているが、改めてリピーターさんとして迎える時は本当に嬉しく、この仕事の冥利ということになる。
HPには公式という表記をしてネットから直接予約のお客様には特典サービスを謳っているが、やはり旅行会社から送客いただくケースが多く、手数料を納得して広告宣伝費と考えることも旅館業界には多いようである。
ネットの直接予約で気を付けなければならないのは、営業時間外に予約をされる場合で、仮返信システムで対応されていることもあるので、確認後に満室を伝える返信対応で心苦しくなるのである。
ネット予約のシステムを構築した当時のことで思い出すのが日程に関することで、「第一希望」から「第三希望」まで入力する申し込み方法に抵抗感を覚えるお客様が多く、そのページからUターンされる事実が分析されて取り止めたことも懐かしいところである。
ネット予約で承ったお客様には「ご予約承りました」という確認のメールをご持参くださいと返信しているが、持参されないケースも多く、他の旅館で予約を「した」「されていない」でトラブルになったこともあり、この予約システムにも隙間があることは事実で、そんなことにならないように願って過ごしているが、いつも一抹の不安を覚える華栄だった。
旅館という仕事の中に様々な出来事もある。最寄駅から到着された若いカップルのお客様を送って来たタクシー会社から電話があり、そのカップルが車内でおかしな行動があった事実を伝えて来たことがあった。
それは女性の方から運転手に「このカードが対応出来るか調べて欲しい」と言われたそうで、どこかで拾った他人のクレジットカードではないかという事件だった。
タクシー会社ではカード対応しているケースもあるが、その場合は大半が乗車時に提示して確認する必要があることを謳っているが、不正カード対策に仕方なく対応しているもので、運転手達には面倒だという意見が出ているようだ。
華栄の旅館ではクレジットカード対応も可能となっているが、ゴールドカードやプラチナカードがお客様のステータスみたいになっているが、中には数社のプラチナカードを持っているにも関わらず、別のカード会社のノーマルカードで支払いされるお客様もおられるので不思議だし、因みにスタッフで話題になったブラックカードで支払いされたケースは1回だけしかなかった。
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