ご存じでない方があるかもしれないので簡単に触れておくが、友人が「ベンチャーズ」の日本公演で音響と照明を担当していたら、後３曲というところで演奏者全員の表情に異変が感じられ、それが舞台上に設置してあったモニタースピーカーに問題が発生したことを察知した。
ベテランでなかったら自分達の楽器の音が聞き取り難く、客席側のスピーカーに流れている音で確認することを余儀なくされるが、百戦錬磨の超ベテランである「ベンチャーズ」はさすがで、何もなかったように３曲の演奏を終わり、アンコール曲まで対応して緞帳が下りることになった。
大変なことが起きたと頭が真っ白になった友人は、通訳の人にお願いして彼らの楽屋に行き、平身低頭謝罪を始めたら、リーダーが次のように言われた。
「君が謝る必要はないよ。あれは機械の故障だ。機械が謝罪すればよい」
そんな話を友人から聞かされたのはある年の大晦日のこと。友人のやっている割烹だったが、割烹のオヤジも「ベンチャーズ、素晴らしい！」と感銘していた。
さて、今日のテーマは「帝王」になっている。ベンチャーズもエレキギターの世界では帝王的な存在だが、ゴルフの帝王と言えば「ジャック・ニクラウス氏」である。ドイツ系の人なので「ニクラウス」と発音するが、英語的になると「ニクラス」となるそうだが、我々日本人には「ニクラウス」で親しまれているだろう。
随分昔の全盛時代に彼の「パター」がトーナメント会場で盗難に遭ったことがあった。誰が責任者かは不明でも、大会関係責任者と警備担当責任者が本人に謝罪に行ったら、彼はその後の記者会見で「消えたパターよりも責務を感じている彼らの方が心配だ。これからの生涯で重荷を背負って行くことを考えると」というような発言をされ、その映像を観た多くの人達から称賛されたという逸話だが、それを知った犯人がパターを持参して自首したという出来事も伝わっている。
犯行に及んだ人物も「ニクラウス氏」の猛烈なファンだったそうだが、この出来事でファンが増えたことは事実で、人格のイメージがアップしたことは言うまでもないことだ。
アメリカという国は、こんな粋な対応が多いようだが、それらから学んだ私の怒りを抑える行動は、「借り」を作ることなく「貸し」を作ることになり、ミスをした相手もホッとするし自分も幸せ感に包まれることになるのでお勧めである。
医療ミスも何度か体験したし、ホテルでのハプニングで一つ間違っていたら即死していた事件にも遭遇しているし、北海道で利用した知られるホテルが信じられないミスから宿泊招待券を送って来て初めて知ったこともあるが、その招待券に「有効期限２年」とあったので腹が立ち、やんわりとドラマ調に書いて返信、次回は正規料金を支払います。前回の食事の世話をしてくれた女性スタッフが素晴らしかったので指名したいし、デザートで一品増やしてくれたらそれでよいと書いたらかなり驚かれ得て緊張されたよう。
１年後に予約を入れてそのホテルへ行ったら、特別室を利用させて貰ってウェルカムフルーツが届いて総支配人が部屋に謝罪に来られた。
様々なホテルや旅館を利用したことがあるが、大きなテレビが４台も設置してあったのは初めてでびっくりしたが、室内の温泉浴場が広くて２４時間溢れていたので大浴場に行く必要がなかった。
因みに料金は返信に書いたように支払って来ているが、間違いなく特別割引されていたようである。
今日の写真は過日に利用したホテルのレストランを。蓮の花を模った灯りが印象に残っている。
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