10月1日の号で紹介した函館の「清雅舎」が創作している水引細工やアクセサリーを土産物の売店のコーナーに置いているが、お客様の目に留まることが多くて売れ行きがよく、在庫が少なくなったので電話を入れて送っていただく手配を進めた。
この発端はご利用くださったお客様が珍しいイヤリングとネックレスを装着されており、夕食時にご挨拶に参上した際に拝見させていただいて入手された経緯を伺ったら「函館の湯の川温泉の竹馬新葉亭に宿泊した際に売店で見つけ、購入したのだけど洒落ているでしょう。私の友人達も入手を目的にわざわざ函館へ行った人もいますからびっくりです」と聞き、その後に母である亡き先代女将と北海道旅行を予定しており、トマム、富良野、苫小牧、洞爺湖、函館と宿泊したのだが、最終日となった函館の湯の川温泉でホテルを変更してその「竹馬新葉亭」の売店で購入していた。
原材料が日本の文化である水引なので軽いことは当たり前だが、それを見事にイヤリング、ネックレス、ブレスレッドとして「かたち」にしている秘められた職人的技術は相当高く、
女将の真理子が装着しているとお客様から「あらっ、ちょっと見せて」と声を掛けられることも多いが、この温泉地の女将会のメンバーの大半が欲しいということから真理子の旅館の売店に来ていることもあり、これからもその人気がヒートアップするような気がしている。
女性は美しくて珍しい着装品は個性的なお洒落になるので大歓迎である。そんなことからすると売店のそのコーナーをもう少し広げるべきかなとも思っている。
少し前のことだったが、BS-TBSの番組で社長が好きで楽しみにしている旅番組「湯のまち放浪記」でタレントの「清水国明さん」がカメラマンと全国の温泉を訪れている中で、「竹馬新葉亭」が登場し、大浴場、客室、朝食などの紹介を観ながら利用した時のことを懐かしく思い出し、母が「ここはもう一度訪れたいね」と満足していた言葉が印象に残っており、真理子が特に絶品だったという旅館らしい朝食の素晴らしさを夫と共に行きたいと思っていた。
アメリカの大統領選挙が話題になっているが、安倍総理が国賓として招待するロシアのプーチン大統領が来日される際、総理の故郷である山口県長門市での会談が予定されているが、真理子夫婦の会話の中で「きっと湯本温泉の大谷山荘の別邸『音信(おとずれ)』を利用されるだろうね」と言っていたことが現実になったみたいで、週刊誌の中で紹介されていた。
湯本温泉という名称は山口県長門市をはじめ、福島県のいわき湯本温泉、箱根湯本温泉、奥日光湯本温泉、長崎県壱岐湯本温泉などがあり、お客様との会話の中でも耳にすることもあり、国内には同名だけど全く別の地にあるということも多いので勝手に思い込まないようにしなければならない。
半年ほど前にお客様が「この前に行った湯村温泉もよかったよ」と言われ、「山梨県甲府の湯村温泉ですか?」と返すと「違う違う。夢千代の里で知られる山陰の湯村温泉だよ」と言われて恥ずかしい出来事もあった。
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