数名の知人から勧められてライオンズクラブに入会したのは37年前のことだったが、それから約30年間所属して活動。その後に大病を患って退会していた。
入会時には入会式が行われ、その中には宣誓もあったので印象に残っているが、当時にキャビネットの役員をされていた人物の言葉の中で今でも忘れられないことがある。
「ボランティアとは、一人の英雄をつくることではなく、一人の不協力者を作ることでもない」というようなことだったが、それらはメンバーの一員として活動した中で何度も思い浮かべた言葉でもあった。
数日前に読んだ文章の中に<その通りだ!>との思いを感じた名文があった。「サービスとは相手が見える(気付く)前提でやるもの。『おもてなし』とは見返りを求めないホスピタリティ精神でやるもの」という提議だったが、「さりげなく」「謙虚」「礼節」という言葉につながる日本人の誇りの文化のような気がした。
過去に広い業種にスタッフ教育を依頼された歴史もあるが、その際に「サービスとは背中に目を持つこと。お茶やお手拭きは出すことよりも回収する方が重要」と教えたことがあるし、ある葬儀社に行った際に祭壇に向かって一礼をしている姿がおかしいと指摘したこともあった。
その会社は私が担当する一ヶ月ほど前に航空会社の客室乗務員を指導している人物を迎え、接遇の教育を受けており、礼をする際の角度や手足の作法なども徹底して指導されていたらしいが、「仏作って魂入れず」みたいに陥ってしまったみたいで、祭壇前の一礼姿が美しく見えても、何か違和感を覚えたからだった。
「かたち」じゃなく「心」の問題と説明して指導を進めることにしたが、最も教えたかったことは「後ろ姿」のことで、参列者の視線がスタッフの動きを注視している恐ろしさを伝え、祭壇に頭を下げるのではなく「ご本尊」と「ご遺影」に向かって行動しなさい。それが後方におられる参列者にはっきりと伝わると指摘した訳である。
日本の礼節の美しさは「後ろ姿」が物語るというのが持論だが、それは我が業界のスタッフ向けの制服を企画販売している大手制服会社にもアドバイス。「後ろ姿」を重視するデザインで取り組まれた出来事も懐かしい。
昨秋、北海道に出掛けた際、接遇をしてくれた女性スタッフ達の仕種が素晴らしかったのでトップの方に賛辞して来たが、彼女達の制服もその会社の製品だった。
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