ホテルや旅館を利用した際の体験談を特集する中に、その気持ちが理解出来るというケースがあった。なぜなら私自身も同じような体験を3回もしたことがあるからで、その夫婦が予約していた旅館の玄関に着いたところから紹介しよう。
車を線の引かれた玄関横の駐車スペースに停め、荷物を手に玄関から入ったが、すぐ目に入るフロントに誰もおらず、館内に人の姿を確認することはなかった。
チェックインは午後3時からだが、もう3時を少し過ぎている。なのにこの静けさはどういうことだと思いながら、フロントにあった呼び鈴を数回鳴らした。
しかし、暖簾のある事務所らしき部屋の中から誰も出て来ない。もう一度呼び鈴を強く鳴らしてみたら、やっと気付いてくれたみたいで「来られていたのですか?」とびっくりした表情で男性スタッフが登場した。
10室ぐらいしか存在しない小さな旅館だが、料金設定は結構高額なので安心して選択した夫婦だが、あまりにも静か過ぎるので気持ち悪くなったご主人は、フロントのスタッフに「我々夫婦だけなの。他のお客さんはないの?」と訝しげに質問し、「それだったらキャンセルさせてよ」と懇願するに至った。
「まだ他のお客さんはご到着ではないのです。3組のお客様のご予約を承っておりますからご安心を」と返しても何か事情がありそうな雰囲気から逃げ出したくなったご夫婦。そんな様子にフロントの人物が次のように言った。
「当旅館は何もおかしな問題はございません。このままご宿泊されずにお帰りになられたり他の旅館をご利用されるのはお勧め出来ません。当旅館は他より少し料金が高く設定されておりますが、ご用意させていただくお食事が自慢なので是非お召し上がりください。お願いですから」
それは、今にも泣きそうな感じなので何か気の毒な思いも生まれ、「では料理を期待するからね」と自然に答えてしまったご主人だった。
確かに夕食も朝食も素晴らしいものだった。しかし大浴場に行っても他の利用客があるようには見えず、何か無性に寂しい思いで眠れなかったそうだ。
私もそんな体験がある。一度は三重県の榊原温泉で、広い駐車場に私の車と他に1台しかなく、バスやタクシーで来られたお客さんもなく、大きな旅館にたった二組しか利用していないことが判明。もう一組の人物と大浴場で会い、互いに「気持ち悪いね」と語り合ったことを憶えている。
また東北の温泉旅館に立ち寄った際も我々だけだった。廊下の電灯も半分が消されているし、大浴場へ行くことも寂しかったし、脱衣場、浴室、露天風呂にいたら何か心細くなってすぐに部屋へ戻ることになった。
「舌切り雀」の伝説で知られる温泉旅館でも同じ体験があった。部屋食の夕食が済んで館内見学に出掛けたら、クラブでもないラウンジでもない飲み処があったので興味を抱いて立ち寄り、スタッフが誰もいないので立っていたら、奥の方から女性が登場。彼女は部屋で食事を担当してくれていた仲居さん。服装を変えて旅館のオーナーと2人で私の相手をしてくれた。
今日の写真は何度か宿泊したあるホテルの部屋を。
車を線の引かれた玄関横の駐車スペースに停め、荷物を手に玄関から入ったが、すぐ目に入るフロントに誰もおらず、館内に人の姿を確認することはなかった。
チェックインは午後3時からだが、もう3時を少し過ぎている。なのにこの静けさはどういうことだと思いながら、フロントにあった呼び鈴を数回鳴らした。
しかし、暖簾のある事務所らしき部屋の中から誰も出て来ない。もう一度呼び鈴を強く鳴らしてみたら、やっと気付いてくれたみたいで「来られていたのですか?」とびっくりした表情で男性スタッフが登場した。
10室ぐらいしか存在しない小さな旅館だが、料金設定は結構高額なので安心して選択した夫婦だが、あまりにも静か過ぎるので気持ち悪くなったご主人は、フロントのスタッフに「我々夫婦だけなの。他のお客さんはないの?」と訝しげに質問し、「それだったらキャンセルさせてよ」と懇願するに至った。
「まだ他のお客さんはご到着ではないのです。3組のお客様のご予約を承っておりますからご安心を」と返しても何か事情がありそうな雰囲気から逃げ出したくなったご夫婦。そんな様子にフロントの人物が次のように言った。
「当旅館は何もおかしな問題はございません。このままご宿泊されずにお帰りになられたり他の旅館をご利用されるのはお勧め出来ません。当旅館は他より少し料金が高く設定されておりますが、ご用意させていただくお食事が自慢なので是非お召し上がりください。お願いですから」
それは、今にも泣きそうな感じなので何か気の毒な思いも生まれ、「では料理を期待するからね」と自然に答えてしまったご主人だった。
確かに夕食も朝食も素晴らしいものだった。しかし大浴場に行っても他の利用客があるようには見えず、何か無性に寂しい思いで眠れなかったそうだ。
私もそんな体験がある。一度は三重県の榊原温泉で、広い駐車場に私の車と他に1台しかなく、バスやタクシーで来られたお客さんもなく、大きな旅館にたった二組しか利用していないことが判明。もう一組の人物と大浴場で会い、互いに「気持ち悪いね」と語り合ったことを憶えている。
また東北の温泉旅館に立ち寄った際も我々だけだった。廊下の電灯も半分が消されているし、大浴場へ行くことも寂しかったし、脱衣場、浴室、露天風呂にいたら何か心細くなってすぐに部屋へ戻ることになった。
「舌切り雀」の伝説で知られる温泉旅館でも同じ体験があった。部屋食の夕食が済んで館内見学に出掛けたら、クラブでもないラウンジでもない飲み処があったので興味を抱いて立ち寄り、スタッフが誰もいないので立っていたら、奥の方から女性が登場。彼女は部屋で食事を担当してくれていた仲居さん。服装を変えて旅館のオーナーと2人で私の相手をしてくれた。
今日の写真は何度か宿泊したあるホテルの部屋を。
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