最近の旅館やホテルはネットからの直接予約を歓迎し、旅行会社を仲介する手数料が不要なので両者にメリットがあるように、直接予約のお客様には様々な特典を設定しているケースも増え、HPのトップページの表記に「公式」の文字を入れることが多い。
特典の中には館内クーポン券500円分や1000円分、また部屋のグレードアップや宿泊料金の割引もあるが、最も多いのがウェルカムドリンクみたいである。
昔から存在する大手旅行会社の他に、ネット社会になってから登場した旅行会社も増え、スマホなど携帯電話やタブレットの進化でネットにつながるところからその利便性は疑うことのない事実で、女将の登和子の旅館でも随分昔からその対応に取り組んでいる。
登和子の旅館にはIT技術に長けた若い男性スタッフがおり、彼がHPに関連することやネット予約の担当をしているが、大半のホテルや旅館では予約専門システムを構築している業者と提携していることから手数料という問題も絡むので本音としては電話で直接予約されて来るお客様を歓迎したい。
しかし、この電話予約で問題になるのが悪戯電話で偽の予約電話で何時まで経っても到着されず、予約時に承った電話番号も適当に伝えられていたもので。偽計業務に充当するので警察へ被害届を提出したら、全国のホテルや旅館で被害が発生していることを知った。
電話予約のお客様で神経を遣わなくてはならないのは「ネットを見ながら電話をしている」というケースで、窓口担当者が単なる電話予約のお客様として進めてしまうと、精算時にクレームに発展するので気を付けたい問題である。
航空会社の予約をネットで入れると、終了ボタンを押すと同時に「予約承りました。有難うございました」とメールが届いているし、コンビニ支払いを要望して近くのコンビニで支払いを済ませて帰宅すると清算が済んだことがメールで届いているが、これらはプログラムされた受配信システムで、これでどれだけのスタッフが不要になっているかを考えると将来がバラ色でもないように考えられる。
多くのホテルや旅館が予約システムを専門としている会社と提携しているケースが多いが、慣れていないでネットで予約をすると、次のページ移ろうとすると利用日ではない予約操作をしている日のプランが出て来ることが多く、何かミスをしてしまったと勘違いをして何度も操作をやり直すことも少なくないと言われている。
登和子の旅館のプラン予約はスタッフがオリジナルシステムとして構築したもので、他の宿泊施設をネット予約された体験のあるお客様に「この旅館の予約は分かり易くていいね」と喜びの声をいただくことも多い。
来月に女将夫婦がいてみたい旅館があるからと九州旅行へ出掛けるが、事務所スタッフに予約依頼を手伝って貰うことにして横に座って画面を見ていたら、本当に誤解してしまうようなシステムが多いし、このスタッフが構築してくれたシステムの素晴らしさを改めて知ることになり、「女将さん、こんな体験をされたらご理解いただけたでしょう」と言われて「あなたは凄いね」と返した。
極めて少ない予約時のミスとして考えられるのが休日の料金を休前日料金で伝えてしまうことで、旅館側のミスなのに指摘もしないで黙って支払いを済ませ、1か月後くらいに「お気づきになりませんでしたか?」と電話が掛かって来るケースで、電話の窓口担当者は背筋がゾッとする問題である。
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