昨日は夫と二人でスタッフの結婚披露宴に出席していた美祢子だが、お客様を順にチェックアウトでお見送りしていると時に事務所に電話があり、呼ばれて出たら昨日の新郎だった。
夕方の飛行機で千歳空港へ飛び、新婚旅行の1泊目は小樽だったそうで、そのホテルの部屋の電話だったが、、昨日の出席のお礼と共に社長の祝辞に対する評価が高かったそうで、両県の親戚や新郎新婦の意友人達からも声が出ていたそうだが。新婦側の主賓であった国家議員の祝辞は最悪だったという声ばかりだったということも知った。
地元出身の議員でなければ順番を変更することも出来ただろうが、話の上手な県会議員や市議会議員をさきにすることは不可能な事情も分かり、新婦のご両親がお気の毒に思ってしまった。
小樽、稚内、富良野、トマム、洞爺湖と5泊6日の行程だったが、美祢子は「出来たらもう1泊したら?」とアドバイスした。それは美祢子の旅館の売店でも人気のある水引細工のアクセサリーを置いている函館の湯の川温泉にある「竹馬新葉亭」にタイ寄ってはということだが、新郎が過去にそれを気に入ってイヤリングとネックレスを新婦にプレゼントしていたこともあり、新婦が装着したところから友人達で話題になり、数名で当館の売店に見に来られて購入された出来事もあり、ひょっとしたら函館にもう1泊するのではと思った美祢子だった。
夫は昨日の披露宴で飲み過ぎたみたいで、朝から二日酔いみたいな状態になって横になっている。同席の方や新郎の友人や親せきの方々、また新婦側の親戚の方々も「祝辞が素晴らしかった」とお酒やワインを注がれるので調子に乗ってご機嫌な状態に陥り、気が付けば「披露宴」「が「疲労宴」みたいになってしまっていた。
そんな夫が朝から「シジミ」のエキスを飲んでいる。それはテレビのCMで知ったサプリメントで、美祢子には効力があるとは信じられなかった。
夜遅くまでテレビを観ている夫だが、ネットショップのサプリメントが何でも効力があるような気がして次々に注文するので、宅配に来られる運送会社の担当者さえびっくりしているのでスタッフ達が笑っているが、そんな彼らも夫から「飲んでみろ」と様々な物を貰っているのだから面白い話である。
美祢子には期待していることがあった。新婦が美祢子の旅館入社するからで、事務所スタッフをしばらく体験させてから仲居を担当させようと考えていた。
新婦は名古屋市内の大手銀行に勤務しており、元の上司や同僚達も出席していたが、夫と反対側の席におられたのが元上司の方で。名刺をいただいたら支店長さんだったが、新婦の寿退職を残念でならないと嘆かれていたのが印象に残っている。
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