毎月お願いしている書物を書店のご主人がポストに入れてくださっている。ずっと愛読しているのが「大法輪」と「PHP」で、昨日に届いた「PHP」11月号に信じられない誤変換があったので「独り言」に書き、自分が過去に書いた小説にびっくりする誤植があったことにも触れておいた。
40年近い愛読書である「大法輪」の今月号の特集に興味を抱いている。「霊魂は存在するか」というタイトルで、宗教者をはじめとする著名な方々が解説されているので奥行きの深さを再認識している。
仏教葬儀の式次第の中で行わない宗派もあるが、多くの宗派が「引導」という儀式を行っている。故人をこの世から来世へ送られる法儀でもあるが、我々葬儀に携わる立場にあると霊魂の存在を否定しては司会進行が難しい。
「引導」を行わない宗派の中で代表的なのは浄土真宗系だが、これはお開きになった親鸞聖人が説かれた霊魂あるないを問わずというお考えがあるからであり、その背景に「南無阿弥陀仏」というお念仏が存在している訳である。
そんなところから、我々葬儀の司会者は浄土真宗系のお通夜や葬儀にあっては「ご霊前」という言葉を避けて「ご仏前」にしているし、よく耳にする「ご冥福を祈る」という言葉も避けて「お念仏にて偲ぶ」と言い換えている。
昔、ある宗派のご本山での研修会の講師を担当させていただいたことがあるが、私は午後の部なのに朝から出掛けて午前の部を受講することにした。
そこで講師を務められた方は浄土真宗の世界で著名な人物で、あっという間に時間が過ぎてしまう内容だった。
そんな中で印象に残っているのが「冥福」に関して「真っ暗な世界である冥土で幸福になれとはどういうことだ」と説かれ、「黄泉(よみ)の国」に関しては「これ以上汚い世界はないと古事記にも出ているのにどうしてそんな言葉が弔辞に使われている」と説教されていた。
また「草葉の陰なんて言葉は、コオロギの棲む世界でおとなしくしておれとなるし、鬼籍に入られたと述べて人を鬼にしてしまってどうするのだ」ともご指摘されていた。
式場の入り口に「葬儀式場」はよいが「告別式場」は誤りという考え方もあるし、お通夜は始まる時間は書いてもよいが、読んで字の如くだから「*時まで」とおかしいというのも常識である。
多くの司会者の指導をして来た歴史があるが、宗教独自の考え方から用いる言葉を教えることを重視していたのはそんな背景があったからだが、ブライダルや葬儀の司会者の中に絶対に使ってはならない「禁句」さえ知らない人達が存在している事実は寂しい限りである。
今日の写真は「大法輪」の11月号の表紙を。
40年近い愛読書である「大法輪」の今月号の特集に興味を抱いている。「霊魂は存在するか」というタイトルで、宗教者をはじめとする著名な方々が解説されているので奥行きの深さを再認識している。
仏教葬儀の式次第の中で行わない宗派もあるが、多くの宗派が「引導」という儀式を行っている。故人をこの世から来世へ送られる法儀でもあるが、我々葬儀に携わる立場にあると霊魂の存在を否定しては司会進行が難しい。
「引導」を行わない宗派の中で代表的なのは浄土真宗系だが、これはお開きになった親鸞聖人が説かれた霊魂あるないを問わずというお考えがあるからであり、その背景に「南無阿弥陀仏」というお念仏が存在している訳である。
そんなところから、我々葬儀の司会者は浄土真宗系のお通夜や葬儀にあっては「ご霊前」という言葉を避けて「ご仏前」にしているし、よく耳にする「ご冥福を祈る」という言葉も避けて「お念仏にて偲ぶ」と言い換えている。
昔、ある宗派のご本山での研修会の講師を担当させていただいたことがあるが、私は午後の部なのに朝から出掛けて午前の部を受講することにした。
そこで講師を務められた方は浄土真宗の世界で著名な人物で、あっという間に時間が過ぎてしまう内容だった。
そんな中で印象に残っているのが「冥福」に関して「真っ暗な世界である冥土で幸福になれとはどういうことだ」と説かれ、「黄泉(よみ)の国」に関しては「これ以上汚い世界はないと古事記にも出ているのにどうしてそんな言葉が弔辞に使われている」と説教されていた。
また「草葉の陰なんて言葉は、コオロギの棲む世界でおとなしくしておれとなるし、鬼籍に入られたと述べて人を鬼にしてしまってどうするのだ」ともご指摘されていた。
式場の入り口に「葬儀式場」はよいが「告別式場」は誤りという考え方もあるし、お通夜は始まる時間は書いてもよいが、読んで字の如くだから「*時まで」とおかしいというのも常識である。
多くの司会者の指導をして来た歴史があるが、宗教独自の考え方から用いる言葉を教えることを重視していたのはそんな背景があったからだが、ブライダルや葬儀の司会者の中に絶対に使ってはならない「禁句」さえ知らない人達が存在している事実は寂しい限りである。
今日の写真は「大法輪」の11月号の表紙を。
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