現在入院中の病院は5回目となるが、初めて入院したのは10年以上前のことだった。少し咽喉の痛みを感じ始め、風邪かもしれないと医院で診察を受け、微熱が出ているところから毎日点滴を受けていた。
皮肉なことに猛烈に予定が重なり、日に2食が数日続き、日に1食ということもあった。そんな頃、咽喉に異変を感じ出したのが食事を飲み込む際の痛み。それは日々に悪化して来て遂には水を飲み込むことも激痛を感じるようになった。
黒い服に着替えてその日のお葬式の担当に行こうと会社へ行ったが、前日から食事をしておらず尋常じゃない状態。微熱だったものも身体が熱くなるほどになってフラフラ。これは拙いと取り急ぎ耳鼻科の医院へ行った。
患者が多くて1時間ぐらい待たされたが、やっと審査室に入った頃には限界を感じるような歩き方だった。咽喉の様子を確認された先生が「うーん!」と言われ、ちょっと苦しいけどカメラを入れるからと、鼻から胃カメラみたいなものを通され、何枚か写真を撮影されていた。
「咽喉から食道に炎症が起きています。かなり悪い状態です。大きな病院での入院治療が必要です」
そこで紹介されたのが大阪警察病院と大阪赤十字病院で、どちらが新しいですか?と質問したら「赤十字の方が新しい」と言われて選択を決めた。
紹介状を手にタクシーで病院の耳鼻科の窓口へ書類提出をしたのは午前11時だったが、待合室のベンチシートには数十人の人達が座っている。これでは待たされるだろうなと覚悟していたらいつの間にか眠っていた。
自分の名前が呼ばれているのに気付いたのは随分と経ってからのこと。時計を見ると午後5時半だった。
立てない状態だったので看護師さんが車椅子に乗せてくれた。診察が始まると朝の医院の先生と全く同じ。カメラに進んで患部を確認されたら「入院です。これでは食事も無理ですからまずは点滴治療から始めます」ということで病室に運ばれた。
ネクタイこそ外していたが、服装は黒服のまま。こんな服装で来院して入院するなんて予想外のことだったが、ベッドに横たわるとすぐに点滴が始まった。
この出来事については過去に書いたことがあるが、再度触れておこう。
毎日夕方に先生が来室されるが、いつも深刻そうな表情なので「末期がん」なんて勝手な想像までしていた。食事が出されるのだが、「食前にこれを」と処方されたグリーン色のゼリー状のものを飲み込んでも激痛が伴い、食事が絶対に無理という状態まで進んだ。
4日目を迎えた夕方の病室、先生が来室。表情が昨日までと全く異なって笑顔まで見せられている。そして次のように言われた。
「やっと原因が判明しました。栄養失調でした。特に鉄分不足による炎症が酷くなっていますが、鉄分を点滴で補填しますから改善する筈です」
そして新しい点滴が始まり、その後4日目に退院したのだから劇的な回復であった。
平成の時代に「栄養失調」なんて指摘をされたのだから漫画みたいな話だが、咽喉を酷使する仕事の人達に警鐘になればと思っている。
今日の写真は何度か訪れて利用したことのある道後温泉本館で、2階で浴衣に着替えて過ごしたことを憶えている。
皮肉なことに猛烈に予定が重なり、日に2食が数日続き、日に1食ということもあった。そんな頃、咽喉に異変を感じ出したのが食事を飲み込む際の痛み。それは日々に悪化して来て遂には水を飲み込むことも激痛を感じるようになった。
黒い服に着替えてその日のお葬式の担当に行こうと会社へ行ったが、前日から食事をしておらず尋常じゃない状態。微熱だったものも身体が熱くなるほどになってフラフラ。これは拙いと取り急ぎ耳鼻科の医院へ行った。
患者が多くて1時間ぐらい待たされたが、やっと審査室に入った頃には限界を感じるような歩き方だった。咽喉の様子を確認された先生が「うーん!」と言われ、ちょっと苦しいけどカメラを入れるからと、鼻から胃カメラみたいなものを通され、何枚か写真を撮影されていた。
「咽喉から食道に炎症が起きています。かなり悪い状態です。大きな病院での入院治療が必要です」
そこで紹介されたのが大阪警察病院と大阪赤十字病院で、どちらが新しいですか?と質問したら「赤十字の方が新しい」と言われて選択を決めた。
紹介状を手にタクシーで病院の耳鼻科の窓口へ書類提出をしたのは午前11時だったが、待合室のベンチシートには数十人の人達が座っている。これでは待たされるだろうなと覚悟していたらいつの間にか眠っていた。
自分の名前が呼ばれているのに気付いたのは随分と経ってからのこと。時計を見ると午後5時半だった。
立てない状態だったので看護師さんが車椅子に乗せてくれた。診察が始まると朝の医院の先生と全く同じ。カメラに進んで患部を確認されたら「入院です。これでは食事も無理ですからまずは点滴治療から始めます」ということで病室に運ばれた。
ネクタイこそ外していたが、服装は黒服のまま。こんな服装で来院して入院するなんて予想外のことだったが、ベッドに横たわるとすぐに点滴が始まった。
この出来事については過去に書いたことがあるが、再度触れておこう。
毎日夕方に先生が来室されるが、いつも深刻そうな表情なので「末期がん」なんて勝手な想像までしていた。食事が出されるのだが、「食前にこれを」と処方されたグリーン色のゼリー状のものを飲み込んでも激痛が伴い、食事が絶対に無理という状態まで進んだ。
4日目を迎えた夕方の病室、先生が来室。表情が昨日までと全く異なって笑顔まで見せられている。そして次のように言われた。
「やっと原因が判明しました。栄養失調でした。特に鉄分不足による炎症が酷くなっていますが、鉄分を点滴で補填しますから改善する筈です」
そして新しい点滴が始まり、その後4日目に退院したのだから劇的な回復であった。
平成の時代に「栄養失調」なんて指摘をされたのだから漫画みたいな話だが、咽喉を酷使する仕事の人達に警鐘になればと思っている。
今日の写真は何度か訪れて利用したことのある道後温泉本館で、2階で浴衣に着替えて過ごしたことを憶えている。
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