今日から消費税が5%から8%になった。友人の息子が結婚披露宴をするのに3月を選択したのはこの問題が背景にあったようだが、私は、昔から消費税には強い抵抗感を抱いていた。
葬儀の費用に「消費」という考え方が納得出来ないからで、人の悲しみに「課税」するのが理解出来なかったからだ。
消費税が我が国で課せられるようになった際は「3パーセント」だったが、その時から現在までずっと腹立たしく思っている。
我々葬儀社が仕入れや「物」を購入する際の消費税は当然だと思うが、家族が不幸を迎えられて「遺族」と呼ばれるようになってお通夜や葬儀を進められる時、その費用に「消費」とは何を考えているのだろうと抵抗感を覚えてしまう。
高額な消費税を設定している外国のケースもあるが、国民の生活に直結する範囲を定めてパーセンテージを段階的に変えていることもある。
祝賀会や披露宴など「祝い」に関するものに消費税は理解出来るが、どのように考えても「悲しみの心情」に税金を課す発想は貧しいと指摘したい。
少し発想を変え、「遺族側に消費税を課さないように。それは業者負担で」となればよいのではと伝えたいぐらいである。
消費税の導入が法案で決まった時、我が業界の中で議論し合ったことがある。それは供花などの「お供え物」に関することで、昔に多かった「花輪」や「樒」の問題だった。
お通夜や葬儀の受付に「領収証」を準備しておく必要があるが、参列されて支払われる際に「消費税」となればどのような思いを感じられるだろうか。そんなところから「内税」の方がという意見も出たが、ゲストに迎えていた有名な議員の発言は「全て外税が望ましい」となり、その態勢で進められてしまった経緯がある。
その人物はもうこの世におられないが、今日「8%」になったことをどのように思っておられるだろうかと当時の光景を思い浮かべると懐かしい。
国家予算の25%が医療や年金というような社会保障費の現実は衝撃だが、こんな時代の到来は昔の政治家や官僚は理解出来ていた筈。国民の4人に1人が高齢という社会の今後に明るい話題がないほど真っ暗である。
そのために増税というのは短絡的ではないか。健康保険に於ける高齢者の負担が増えるようなニュースもあったし、年金を下げる話題も出ていた。
「高齢化社会」ではない。はっきりと「高齢社会」である。この事実をしっかりと理解して政治を司って欲しいと願っている。
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