大阪で開催された「花博」でマスターズの「パー３」のコースの一つをそのまま設定して話題を呼んだが、友人が抽選に当たってホールインワンに挑戦したが、余りにもギャラリーが多くて緊張してしまって池へ打ち込んで消沈していた姿を憶えている。
今から２０年ほど前のことだが、ゴルフ仲間の一人が真剣そうな表情で「死ぬまでにマスターズのコースであるオーガスタでプレイをしたい。何か方法はないだろうか？」と相談を受けたことがあった。
オーガスタ・ナショナルは特別なゴルフクラブ誰もがラウンド出来るところではなく、倶楽部メンバー同伴ということが原則となっている。
その人物も高齢なので何とか出来ればと思って内緒で探ってみたら、オーガスタにつながる不思議なご仏縁があることが判明した。
３８年前にアメリカへ行った際に大変なお世話になった人物が著名な財界人で、手紙を書いたら「ルートがある」との返信が届いた。もちろん英語しか分からないので英会話の堪能な友人に代筆を依頼したものだったが、返信によるとその人物の友人がオーガスタ地区の名誉職を歴任しており、同伴プレイをしてくれるそうで喜んだのは言うまでもない。
早速知人に知らせると涙を流さんばかりに喜ばれ、「死ぬまでに夢が叶う」と興奮されていたが、それから半月も経たない内に体調を崩されて入院、２か月後にはそのまま帰らぬ人になってしまった。
再度友人に依頼して英文の手紙で事情を書いて送ったが、私にとっても残念で忘れられない思い出となっている。
亡くなられた人物の葬儀を担当したが、遺品を展示したメモリアルコーナーにゴルフを知られる人達が驚く物が存在し、参列された方々が故人のことを懐かしく偲ばれていた。
それは私も初めて知って驚嘆したものだが、ご本人がラウンドされたゴルフ場のボールマークを全て残されており、特別なアルバムに軸をカットされて貼り付けられ、コース名とラウンドされた日、同伴者の名前が記されており、私の名前も書かれていた。
結構な厚さのアルバムだったが、１ページに１６のマークが貼り付けられていたので２０コースを超えていただろう。
メモリアルコーナーの横に愛用されていたゴルフウェアが数着置かれていたが、全て黄色いアメリカの地図をモチーフにしたマスターズのマークが入ったものだった。
ゴルファーにとってオーガスタ・ナショナルをラウンドするなんて夢の世界のことだが、大病を患った私はその夢を叶えることは不可能となった。テレビの中継を観ながら今は亡き思い出の人物を偲ぼうと思っている。
今日の写真は過日に撮影した大阪城公園近くから出ている水上バスを。
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