大病を患って救急車で搬送され、医学的な言葉で言われる「成長期」をその病院で治療を受け、1ヵ月後にリハビリ専門の病院に転院した。
予約した介護タクシーは軽自動車のワゴンで、後方扉を開けて鉄板を出して車椅子を車内へ入れ、それを固定するというものだが、約30分間後方を見ながら走行する間の気持ちの悪さは言葉で表現出来るものではなく、二度と味わいたくない体験だった。
転院してから出来るだけ自分で行動する努力を始めたが、起床してから洗面所で洗顔するのにベッドから車椅子に乗り移るのだが、ベッドのパイプをしっかりと握っておかなければ転倒する危険性が高く、いつも慎重に行動していた。
洗面所で湯と水を出す時に不思議な体感があった。それは掌で受ける時に左手が温度を全く感じないからで、熱い、冷たいが分からないので右手で確認してからという手間を要した。
前の病院当時から2日毎にシャワーを使っていたが、あまりそんなことを感じなかったのに、転院してから1週間ぐらいした頃に看護師さんの勧めでバスルームに入った時、衝撃を受け、湯船に入った瞬間に飛び出すことになった。
体験しなければ理解出来ないだろうが、右半身が湯、左半身が水に感じるのだから驚くのは当然で、洗い場の椅子に座って鏡を見ながらシャワーを出し、左肩や右肩から流してみて確認した時の複雑な思いは今でも忘れられない強烈なものだった。
病的な偏食があるところから毎日の食事が大変だったが、前の病院で「声」のリハビリ担当の先生が手紙を書いて転院時にカルテやデーターと共に託され、その日の内に読まれた栄養士さんが来室。「これだったら、お豆腐の料理ばかりになりますが」と言われ、それで結構ですと返したら、メインは常に豆腐となっていた。
発病時に声帯を半分失い、嚥下障害も起き、呂律も回らない状態だったので大変だったが、最も辛かったのは飲食物を飲み込む時の恐怖感。ちょっと間違うと気管支の方へ流れてしまい、肺の方へ入ったら苦しくなり、それが「誤嚥性肺炎」を発病する危険性があるので怖々の食事タイムとなっていた。
分かり易く言うと、頭の中の一部の機能に障害が起きており、食道と気管支を分ける弁の動きをコントロール出来なくなっている状態で、「今から飲み込むぞ。気管支の方の蓋をしろ」なんて命令を出して頭の中で記憶する必要があった訳である。
そんな命令も食事なら何とかなるが、「水」はすぐに流れて行くところから危険性が高く、スプーン1杯の水を飲むのに2か月を要する苦労もあった。
入院中に持病のあった目の調子が悪くなり、何度かタクシーでいつもの眼科に通ったこともあるが、杖を手に支えられている姿を目に先生が「どうされたのですか?」と驚かれ、待合室の中におられた知人の方々からも同じ驚きの言葉が掛けられた。
病室は少し乾燥していたようで、湿度不足が原因という眼科の先生の診断だったが、入院中に6回通院したことを憶えている。
今日の写真は奈良県にある宇陀カントリークラブゴルフ場の露天風呂温泉。アメリカで俳優のハリソン・フォードが小型飛行機の故障でゴルフ場に不時着して話題になっているが、過去にこのゴルフ場にもセスナ機が着陸したことがあるので知られており、友人がオーナーと交流が深く、大病を患う少し前に一緒に行った際、オーナーが山ほどタケノコを掘って来てプレゼントされたこともあった。
予約した介護タクシーは軽自動車のワゴンで、後方扉を開けて鉄板を出して車椅子を車内へ入れ、それを固定するというものだが、約30分間後方を見ながら走行する間の気持ちの悪さは言葉で表現出来るものではなく、二度と味わいたくない体験だった。
転院してから出来るだけ自分で行動する努力を始めたが、起床してから洗面所で洗顔するのにベッドから車椅子に乗り移るのだが、ベッドのパイプをしっかりと握っておかなければ転倒する危険性が高く、いつも慎重に行動していた。
洗面所で湯と水を出す時に不思議な体感があった。それは掌で受ける時に左手が温度を全く感じないからで、熱い、冷たいが分からないので右手で確認してからという手間を要した。
前の病院当時から2日毎にシャワーを使っていたが、あまりそんなことを感じなかったのに、転院してから1週間ぐらいした頃に看護師さんの勧めでバスルームに入った時、衝撃を受け、湯船に入った瞬間に飛び出すことになった。
体験しなければ理解出来ないだろうが、右半身が湯、左半身が水に感じるのだから驚くのは当然で、洗い場の椅子に座って鏡を見ながらシャワーを出し、左肩や右肩から流してみて確認した時の複雑な思いは今でも忘れられない強烈なものだった。
病的な偏食があるところから毎日の食事が大変だったが、前の病院で「声」のリハビリ担当の先生が手紙を書いて転院時にカルテやデーターと共に託され、その日の内に読まれた栄養士さんが来室。「これだったら、お豆腐の料理ばかりになりますが」と言われ、それで結構ですと返したら、メインは常に豆腐となっていた。
発病時に声帯を半分失い、嚥下障害も起き、呂律も回らない状態だったので大変だったが、最も辛かったのは飲食物を飲み込む時の恐怖感。ちょっと間違うと気管支の方へ流れてしまい、肺の方へ入ったら苦しくなり、それが「誤嚥性肺炎」を発病する危険性があるので怖々の食事タイムとなっていた。
分かり易く言うと、頭の中の一部の機能に障害が起きており、食道と気管支を分ける弁の動きをコントロール出来なくなっている状態で、「今から飲み込むぞ。気管支の方の蓋をしろ」なんて命令を出して頭の中で記憶する必要があった訳である。
そんな命令も食事なら何とかなるが、「水」はすぐに流れて行くところから危険性が高く、スプーン1杯の水を飲むのに2か月を要する苦労もあった。
入院中に持病のあった目の調子が悪くなり、何度かタクシーでいつもの眼科に通ったこともあるが、杖を手に支えられている姿を目に先生が「どうされたのですか?」と驚かれ、待合室の中におられた知人の方々からも同じ驚きの言葉が掛けられた。
病室は少し乾燥していたようで、湿度不足が原因という眼科の先生の診断だったが、入院中に6回通院したことを憶えている。
今日の写真は奈良県にある宇陀カントリークラブゴルフ場の露天風呂温泉。アメリカで俳優のハリソン・フォードが小型飛行機の故障でゴルフ場に不時着して話題になっているが、過去にこのゴルフ場にもセスナ機が着陸したことがあるので知られており、友人がオーナーと交流が深く、大病を患う少し前に一緒に行った際、オーナーが山ほどタケノコを掘って来てプレゼントされたこともあった。
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