列車の中で寝込んでしまって降りる予定だった駅を通り過ごしてしまった人もいるだろうし、酔っ払って乗車して気が付けば想定外の終着駅だったという体験をされた人もおられるだろう。
最終の電車に乗って酔いから寝込んでしまい、明るくなって気が付けば車庫の中という出来事が報じられていたことがあったが、乗務員が誰も乗っていないという思い込みから起きたミスで、どちらもさぞかし驚かれただろうと想像する。
松阪駅から乗車した大阪難波行きの近鉄特急で面白い体験をしたことがある。4人で乗車していたのだが、検札にやって来られた車掌さんと高齢のお婆ちゃんとのやりとりにびっくり。
「お客様、これはもう1本後の特急の指定席です。この特急はお客様が降りられる榊原温泉駅は停まりません」
「何とかならないの? 娘が迎えに来てくれているのよ」
「伊賀神戸まで行かれて戻っていただかなければなりません。間違って乗車されたということで対応しますから料金は不要にします」
「それより臨時停車は出来ないの? 無理みたいね。随分と時間を損することになるわね」
とのやりとりがあったが、榊原温泉駅を通過する時には何とも悲しそうな表情を見せられていた。
東京から名古屋方面に向かう「のぞみ」は新横浜駅を出ると名古屋までノンストップとなっているが、最終に近い「のぞみ」で起きた信じられない出来事が伝わっている。
ある家族連れが静岡で降りるつもりで「ひかり」に乗らなければならなかったのに、間違って「のぞみ」に乗ってしまったミスだった。
新横浜を過ぎた辺りでその事実を車掌が知るところとなったが、その家族は名古屋駅まで行き、おり返さなければならないが、もう名古屋から東京方面へ向かう列車がない時間。名古屋で1泊して次の朝に静岡へ向かうことになってしまう。
そんな「のぞみ」が全く想定外の対応がされることになった。熱海駅を過ぎた頃から車内アナウンスが始まり、静岡駅に臨時停車することになった。停車時間は30秒ほどだが、270キロで走行する列車を予定がいの駅に停車させると4分ほどの影響が出る。家族は専務車掌室のある号車だけ開かれた扉からホームへ降りることが出来た。
最終に近い列車なので後続列車にも大きな影響がないのでそんな対応が出来たが、そうでない時間帯なら絶対に不可能な対処である。
私鉄、JRなどの列車で寝過ごしてしまって通り過ごした時や、間違って違う列車に乗ってしまった時には早急に車掌さんに伝えるべき。時には「誤乗証明」を発行してくれて本来の駅まで料金なしで戻られることもあることを知っておきたい。
私も恥ずかしい体験をしたことがある。過去に書いたことがあるが、「のぞみ」でウトウトしていたら「新大阪」というアナウンスが聞こえてびっくり。バッグを手に急いで降りてエスカレーターに乗ったら網棚に上に土産にいただいた物を忘れていたことに気付いた。
自分で購入したものであれば放棄すれば解決だが、それは講演の主催者がくださった物で、団体名が記載されている。もしもそこへ連絡されることになれば大変だ。そこでエスカレーターを逆走してホームに戻り、「のぞみ」に乗ったら扉が閉まり、次は岡山ということになってしまった。
そんな様子を車掌さんが目撃されており、「お忘れ物をされたようですね」と切符に「誤乗証明」ろ書き込んで押印してくれ、岡山からの最終の「こだま」の時刻を教えてくれた。
お蔭で新大阪と岡山間の往復は無料だったが、自分のミスから時間を無駄にしてしまったことが情けなかった思い出となっている。
今日の写真は過日に撮影した「新山口駅」を。昔は「小郡駅」となっていた。
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