ネット社会になって全国の産物が何処からでも発注することが出来、宅配便のクールなどで新鮮な野菜や果物が入手可能な時代になっている。
園枝が女将をしている旅館は1泊2食で一人27000円からとなっているので高級旅館の部類になるが、全室の半数が露天風呂付き客室でこちらの宿泊料金は38000円からとなっており、特別室や貴賓室に設定されている部屋は一人で70000円以上となるので利用される人が少ないと思われるが、これが結構稼働率が高いので不思議である。
各温泉地にに究極なまでに人件費が掛からないように企画された格安ホテルや旅館が登場しているが、その対極にあるのが園枝の旅館で、各部屋に専用仲居が決められており、チェックイン時からチェックアウト時まで対応することになっている。
このシステムでリピーターのお客様が仲居を指名くださったら最高だが、そんな旅館を理想としようとスタッフが一丸となって取り組んでいる。
社長の発想からユニークな対応が行われている。各部屋のテーブルの上には女将からのメッセージカードと共にこの地の産物である銘菓が添えられているが、もう一品出されているのもこの旅館の特徴で、予約時のお客様の居住地を確認することでその地の産物を前以って取り寄せ、それを社長のウェルカムメッセージのかたちとしている訳だ。
例えばの例だが、山口県のお客様には夏みかんに関するもの。広島からのお客様にはもみじ饅頭とか、岡山からのお客様には白桃やマスカットをいうように準備しており、好評を博している。
季節の産物も喜ばれるもので、今の時期なら山形産のサクランボが歓迎されるし、珍しいと驚かれたのは山桃だったが、グミや椎の実なども年間メニューの中に入っている。
お客様が驚かれることもサービス業の世界で提供する側の喜びで、過去に熊本県荒尾市産の「荒尾梨」の大きさに驚嘆され、写真をされた物をブログに刑さされて話題になったこともある。
高齢の方が売店でお孫さんのためにお土産を探しておられる情報がスタッフから伝わると、
園枝は幼稚園、小学生それぞれに考えたプレゼントが順位されており、チェックアウト時にさりげなく差し出すと驚かれるが、男の子には在来線の特急列車の車内限定販売の「チョロQ」などが揃えてあるが、これらは旅行に出掛けた際に入手して来たものである。
玩具の世界でトミカシリーズは有名だが、例えばバスなどはご当地限定オリジナルがあることを知っておきたい。
意外と喜ばれるのが「けん玉」とパズルの「The T」で、お礼状を何通もいただいている。
コメントはこちらから
あなたの心に浮かんだ「ひと言」が、誰かやあなた自身を幸せに導くことがあります。
このコラム「小説 女将、園枝の旅館」へのコメントを投稿してください。