ワンフロアに4室ずつというタワーホテルだったが、贅沢なジャグジー風呂で過ごしてから就寝前にマッサージを予約し、母の後に真理子も施術を受けて心地良いひとときに癒された。
次の日の朝食は前日に予約してあった館内のレストランに行ったが、利用されている人が少なく静かでびっくり。改めてワンフロア4室というコンセプトを実感した。
チェックアウトを済ませ、予約してあった駅に向かうバスに乗車。駅で10分ほど待つと利用する特急列車がやって来た。
この列車で新得駅で普通列車に乗り換えて富良野駅に向かうが、通路を挟んだ反対側の席にいた若いペアの男性が鉄道に詳しいみたいで、この区間は普通列車が運転されていないのでこの特急列車の自由席なら特急券が不要と説明していたのが耳に入り、初めて知った土産話となった。
富良野駅から観光タクシーをチャーター。3時間ほど富良野らしいところを巡ったが、ワイン工場での試飲や専門農園で食べた夕張メロンとソフトクリームが本当に美味しく、北海道ならではの味わいを感じることになった。
「富良野でしか買えないお土産はありますか?」と聞くと、運転手さんは「お任せください」と返して「香り」に拘る珍しい販売店に連れて行ってくれ、そこでお土産として幾つかの石鹸を購入した。
少し早目にホテルへと考えていたが、気付いたら結構時間が過ぎており、予定より1時間遅れでホテルに到着したが、玄関に到着すると同時に宅配便で知られる運送会社のトラックが数台到着。ホテルスタッフが数人出て来てびっくりするほど多くのトランクやキャリーバッグを運び込んでロビーの一角に並べた。
夕食に和食のレストランに行く時、エレベーター内で高校生の女の子達と会ったら、彼女達が関東から修学旅行で来ており、さっきの荷物が空港から託送されて来た物だと知った。
レストランのテーブルに座った時、まだ、日は暮れておらず十勝岳の山並が見えたが、料理が並んだ頃には暗くなり、「ちょっとだけ飲もうか?」と言った母に付き合って北海道の名柄の日本酒を口にしたが、その甘口が旅先にいることを再認識させてくれた。
そうそう、ホテルに到着する前に少し雨が降っていた。フロントでチェックインを済ませてスタッフに部屋に案内されたが、窓側のテーブルの上にかわいい手作りの「テルテル坊主」が置かれ、「明日が晴れますように」と添え書きがあったが、これは中々面白くて早速帰ってから実践しようと思う仕掛けだった。
明日は朝食を済ませてから予約してあるタクシーで富良野駅へ向かい。そこから普通列車で滝川駅で特急列車に乗り換えて札幌に行き、「特急スーパー北斗」で洞爺駅まで乗車。洞爺湖畔の旅館で宿泊する行程となっている。
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