ホテル業界で躍進している星野リゾートが、東京の中心地に高級旅館をオープンさせたことは知られているが、昨日の情報ニュースを観ていると大手老舗ホテルがホテル内に一部を旅館タイプにして話題となっていた。
外国人観光客が「畳」に憧れることも理解されているが、別室の寝室のベッドも低い位置にセッティングしてあり、バスルームの浴槽の上部に檜材が使用されている配慮も紹介されていた。
祐子が女将をしている旅館でも外国人の利用が増え、洋室より和室を要望されることが多いので特に神経を遣っているのが「畳」の質と香りで、入れ替えを一般的な和風旅館の3倍速く交換するようにしている。
温泉旅館の中で玄関から客室までの廊下の全てを畳敷きにしているところもあるし、大浴場のタイルを畳にしているところもあってびっくりするが、祐子は清潔感と香りが何より重要と考えていた。
料理に関するメニューなどの英語、フランス語、中国語、韓国語の表記で対応しているが、それぞれのお客様の要望に出来るだけ対応するように料理長が考えてくれたが、これがご利用された方々に好評で、「手間暇掛けているから」と厨房スタッフが笑っていた。
中国人のお客様はそうでもないが、欧米から来られるお客様は宿泊料金に対するシビアな考え方もあるようだが、高級和風旅館として知られる祐子の旅館を予約して来るお客様にはそんな問題が出ていない。
外国人のお客様が増えて来ている現実に対応しようと、観光組合と旅館組合が合同で英会話教室を週に2回開催しているが、一年前に比べたら参加者が随分と増えたみたいで、東京オリンピックというキーワードが大きいようだが、リオのオリンピックの頃から一気に増えたようである。
言葉が通じることは何より安心感につながるが、祐子の旅館では館内の案内や施設の全てに5か国語で案内しており、フロントには英会話が堪能な女性スタッフと中国人向けのために中国人スタッフで対応させている。
中国人スタッフは社長である夫が中国を旅行した際に知り合った人物で、当時は中国内の大学に通っていたが、日本の大学に編入して日本語を学び、夫が入社することを勧めていたことから卒業してからすぐに入社。同時に中国のネットの観光情報に彼が祐子の旅館のことを写真入りで紹介し、自身のプロローグも掲載しているのでネットから予約をしてくるお客様も増えている。
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