
筋肉弛緩剤は随分昔に病院のスタッフが持ち出し悪用して多くの被害者を出した事件で知られているが、40代の頃にこの筋肉弛緩剤の注射で治療を受けたことがあった。
前日、所属していた団体のゴルフコンペに参加したのだが、4組目だったのに到着が遅れていた人達がいたため、幹事から1組目でスタートすることを要請された。
ティーグランドで簡単に素振りを済ませてショットしたのだが、予想外な身体の回転を感じてしまい、それはやがておかしな兆候として表面化することになった。
途中に立ち寄った茶店で注文した飲み物を飲んだら、咽喉元を過ぎた食道あたりで砂時計のような状態になる異変を感じ、<どうなっているの!?>という不思議な体感があった。
それは、夕方に行われた表彰式の会食でも続いており、試す目的で刻んだキャベツを水で飲み込んだら砂時計状態がそのまま続いている。気になりながら車で自宅に戻ったが、夜食を食べた際にも続いており、次の日にいつもの医院へ行くことに決めていた。
そして朝食を食べずに開院前に医院に行き、診察を受けたらレントゲン撮影をされ、待合室で待っていると中へ入るように名前が呼ばれた。
先生のデスクにある壁にレントゲン写真のフィルムが数枚張られている。素人目にも食道部分に丸くて白いものが食い込んでおり、それが私を撮影したものであると分かった。
ひょっとして「ガンでは?」と思って先生に質問したら、ガンなら患者本人に公開することはしないよと言われ、その白いものが動脈という血管だと説明を受けて驚いた。
「一体、何をしてこうなったの?」と問われて前日のゴルフの話をしたら、ゴルフがご趣味という先生が「身体が回り過ぎたみたいだ」と指摘され、治療方法について説明を受けたのだが、「1本打つだけで完治する」と注射されたのが筋肉弛緩剤で、それから10分も経たない内に解決するそうで、帰宅途中に立ち寄った喫茶店でコーヒーを飲んだら、砂時計状態は治っていた。
今日の写真はエミレーツ航空のファーストクラス機内を。
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