JRの「おとなび・ジパング倶楽部」が企画する年末年始の「おすすめのお宿」のパンフレットが届いた。
今年の12月26日から来年の1月10日までの期間限定なっているが、年末年始を温泉地で過ごされるお客様には好評の企画であった。JRの企画担当者から「来年はお願いしますよ」と企画へ参加することを勧められているが、そんなことを思い浮かべながらページを開いて目を通した。
旅行に関する情報は常にお客様以上に把握していることが重要で、季節的に発行される旅の情報誌や観光情報誌を書店に依頼して配達して貰っている。
お客様のお世話をする仲居達もしっかりとした話題を話の種」としえて勉強しておくことも大切だが、やはり「旅」に関する話題が考えいされるだろう。
厨房スタッフの30代の男性スタッフが雑学博士と呼称されており、どこからそんな話を学んで来るのだろうかと感心している女将の祥子だが、今日も厨房へ立ち寄ると彼が仲居達を集めて面白いことを教えていた。
「サンヨー食品のサッポロ一番のラーメンがあるだろう。味噌味、醤油味、塩味もあるらしいけど、札幌で作っているものではなく、その命名された秘話は社長が札幌のラーメン横丁で食べたラーメンの味が忘れられず、何度も通ってその味を研究していたというもので、本来なら群馬県の工場製造なので『グンマ一番』となるべきと言われているよ」
「チキンラーメンで有名な日清食品の焼きそば『UFO』だけど、未確認飛行物体を想像してしまうけど、命名の由来は『うまい』『ふとい』『おおきい』のローマ字の頭文字だよ」
「当館のお客様は金沢から来られたり次の日に金沢へ行かれることも多いけど、大阪と金沢を2時間40分で結ぶ『特急 サンダーバード』は『雷鳥』を英訳したみたいに思われているけどそうではなく、アメリカの先住民スー族の神話に伝わる雷光と雨の起こす巨大なワシに似た鳥をそう呼び、雷鳥の英訳は『Grouse(グラウス)』『Ptamigan(たーみがん)』となる訳」
「特急サンダーバードは日に24往復運転されているけど、その内の1往復は和倉温泉を結んでおり、琵琶湖の西側の湖西線を走行するのだけど、比叡おろしという強風の場合は米原経由で運転されることもあるよ」
「昔、『雷鳥』と呼ばれていた時代に大阪の鶴見区で花博が開催され、1990年のこの時は4月1日から9月30日まで『エキスポ雷鳥』も運転され、新大阪から現在の『くろしお』や『はるか』が走行する梅田貨物船から大阪環状線に入り、天王寺を経て京橋まで運転されていたこともあったのだよ」
彼は鉄道にも詳しく、お客様がフロントで鉄道に関するダイヤなどの質問があるといつも彼が呼ばれて対応している重宝な人物である。
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