絹江が女将をしている旅館がある温泉地は、JRの特急停車駅が最寄り駅となっているが、副支配人が駅の送迎を担当しているが、リピーターのお客様などの場合に絹江が駅までお迎えに行くこともある。
大荒れの天候か踏切事故でもなければ遅れることがないのがJRで、1時間に一本だが定刻到着するので少しだけ早くに駅に到着。入場券を購入してホームで迎えるのが絹江の行動だった。
月に3回程度駅にお迎えに行っているが、早めに到着した際には駅に置かれている観光パンフなどに目を通して参考になる物があれば持ち帰ることにしている。
JRの企画の中に信じられないほど割引されているケースがある。地域限定や期間限定となっている特別企画もあるが、そんな事実を知ったら正規料金で乗車券を購入することはないだろう。
来館くださったお客様との会話の中でそんな話題を提供することも貴重なサービスで、スタッフ達も情報交換をしている。
女将会の研修やセミナーに出席することの多い絹子は、50歳を迎えてすぐに「おとなび」に入会をした。駅でポスターが目に留まってネットで「おとなび」を検索してみたら、信じられない割引が適用される事実にびっくり。60代のご夫婦が入会されている「ジパング倶楽部」のことも調べており、夕食時に部屋に参上した際に話題にして喜ばれたこともあり、それがきっかけで入会された人も多く、リピーターのお客様が「女将さんから教えられたジパング倶楽部に入会をして割引を利用してやって来たよ」と言われて嬉しかったことがつい最近にあった。
支配人は広島出身だが、奥さんが還暦を迎えた時にジパング倶楽部に入会。里帰りにも何度か利用していたが、3回利用までは乗車券、特急券、グリーン券の全てが2割引きで、4回目から3割引きになり、1年経過して更新すればずっと3割引きになるのだから得である。
「のぞみ」と「みずほ」は適用されないが、「ひかり」「こだま」「さくら」の利用が可能なので、新大阪で乗り換えて「さくら」を利用しているそうだ。
「のぞみ」の普通車指定席は「3+2」の設定だが、「みずほ」や「さくら」の指定席は「2+2」になっているので人気が高いようである。
絹子は夫と何度か九州旅行に出掛けたこともあるが、博多から鹿児島中央駅を結んでいる「つばめ」も「2+2」になっているのでグリーン車みたいな感じもする。
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