和歌山鉄道「貴志川線」の「猫駅長 たま」が亡くなったニュースがあり、社葬が執り行われることが発表され、国内だけではなく外国からも悲しみの声が届いているようで改めてその人気を認識した。
この鉄道会社の運営は岡山県の両備グループだが、鉄道の本来の文字は「鐵道」で、それは「金」を「失う」という「鉄」という字が縁起が悪いというものだった。
BSテレビの番組に「世界ねこ歩き」という番組があるし、あちこちで「猫カフェ」の人気が高いそうで何かブームのような気がする。
我が家にも悪猫の存在があるが、玄関の扉を開ける瞬間に何時の間に足下に来ており、開けた瞬間に外に飛び出てしまうので困っている。
所用で出掛ける際は数時間帰宅しないことになるので放置しておくことは出来ず、何とか家の中へ連れ戻さなければならないのに、逃げ回られて予定を狂わされるので大変である。
昔、和歌山電鉄の他に有田電鉄という私鉄が存在していた。有田川を遡る路線だったが現在は廃線となっている。
この私鉄の終着駅に「金谷口駅」があって、深いご仏縁のある人物の実家があった。もう30年ほど前のことだが、その人物のお父さんがご逝去され、お通夜とお葬式に関係者と一緒に参列したことがある。
車の運転は私が担当し、助手席に座った人物が地図を見ながら指示を出してくれたが、当時は車にナビのシステムもなく、それこそアナログな方法で目的地を探して走行していたのである。
国道42号線から有田川に沿って遡り、曲がりくねった細い道路を上がって行く行程だったが、随分と山奥だったことを記憶している。
葬儀から1週間経った頃だった。その人物が会葬のお礼にやって来てくれたのだが、集まった人達と喫茶店で話した中に「びっくりするほど山奥でした」と仲間の一人が行ったことに対して、その人の幼い頃の思い出話が興味深かったので今でもはっきりと憶えている。
「私が生まれ育った金屋口というところは。周囲を山に囲まれて空が小さな状態でしか見えず、小学校の4年生の遠足で海の方へ出た時は空の広さと海の大きさに仰天した体験でもありました」
幼い頃に初めて知った世界に驚き、それを言葉に表現して周囲をびっくりさせたという逸話が紹介されていたが、まだテレビが普及されていない時代、近所の汚い運河しか知らなかった子供がお母さんの故郷へ出掛けた時、目が醒めた車内で川を見て「お母さん、水道の水がいっぱい流れている」と驚嘆したというものだった。
世の中の進化が著しい。子供達の中にも携帯電話やスマホが流行している事実もあるが、「命の教育」や「あの世の物語」をしっかりと教えておきたいものである。
ある雑誌で読んだ笑い話に悲しくて寂しい思いを抱いたことがあった。お父さんがペットショップで買ってくれたハムスターを、手を滑らせて落としてしまった子供が動かない状態を目にして「お父さん、電池が切れた」と言ったということである。
今日の写真は「たま電車」を。
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