熊本で発生した大地震から2週間を迎えたが、まだ余震が治まる気配はなく、これまでに1000回を超す余震が起きていると言うのだから恐ろしい話である。
ニュース映像を観ていると気象庁の担当者の発言があり、予断を許さない状態で今後の大きな揺れを警戒する必要があるそうなので避難されている被災者の方々がお気の毒である。
本震と発表された地震で停電となり、しばらく閉館となっていた交流のある旅館の女将から電話があり、やっと電気がと思ったらスイッチを入れても温泉のポンプの不具合から湯が出ない状態で、その温泉地で同様の問題が出ている宿泊施設もあるそうだが、想像もしなかった湯量が出るようになって驚いている施設もあるそうだ。
地元の観光課や旅館組合が緊急会議を開き、今後の対処について話し合い、取り急ぎ温泉に関する専門家を招いて調査をして貰うことになったそうだが、彼女の話によると出なくなった温泉を諦めて新しい源泉を掘り求めることも考えているそうで、予想もしなかった深刻な状況になっていることを知った。
何の問題もない温泉地で自分の旅館が恵まれていることを実感した多永子だったが、何か支援することが出来ないのだろうかと考え、明後日に行われる定期恒例の組合会合で提案することにした。
昔から湧出する温泉の恩恵を考えると本当に有り難いもので、地震によって地下の深いところで異変が置き、ポンプにつながる源泉が詰まってしまったらそれこそ最悪だが、そんなことを考えると熊本の彼女の旅館が気の毒だった。
この十数年間、ずっと新鮮な野菜を納めて貰っている仕入先の青果店のご主人だが、奥さんが熊本出身で実家が大変な被害を被ったと言われており、奥さんが実家に戻られてから10日が経つが、ご主人も心配で堪らず飛んで行きたいと語っておられた。
自宅の住居が危険な状況で入ることが出来ず、地元の中学校の体育館で避難生活をされているそうだが、ご両親が高齢なので尚更心配が募ると言われていた。
そんな熊本から産地直送で仕入れ、それを納めて貰っていた物もあったが、それらがストップしてしまって料理長が困惑していたが、これだけは事情が事情だけにどうにもならないと嘆くしかないのだろうか。
何度もご利用いただく常連のお客様のお気に入りは熊本産の「馬刺し」だが、ご本人は「長野県産ではなく熊本産」と言われるのでこれも困ったことになっている。
彼女の旅館のある温泉地の最寄り駅は豊肥本線にあるが、豊肥本線は熊本駅と肥後大津間と、豊後荻駅と大分駅間だけ本数を減らして運転をされており、宮地駅と豊後荻駅間はバス代行となっている。
過去に夫と彼女の旅館に行ったことがあるが、その時に「観光特急 あそぼーい」に乗ったこともある。立野駅がスイッチバックになっていたことも憶えているが、彼女の温泉地のある最寄り駅の部分が不通になっているのだから最悪だし、いつ開通するかも不明なので困っていると語っていた。
コメントはこちらから
あなたの心に浮かんだ「ひと言」が、誰かやあなた自身を幸せに導くことがあります。
このコラム「小説 女将、交流のある女将からの電話で衝撃」へのコメントを投稿してください。