冬季は何度か積雪でアクセスが難しくなってキャンセルされるお客様も出るが、千草が女将をしている旅館のHPにはリアルタイムで1時間毎に旅館の周囲と幹線道路の積雪情報を掲載している。
道路情報は地元の観光課が設置しているライブカメラから得ているが、少し大き目の文字で「冬用タイヤ」の装着や「タイヤチェーン」の携行を促す文章も掲載していた。
最寄り駅を結ぶ送迎のマイクロバスやワゴンもこの季節を迎えると同時に早目に冬用タイヤ対策を取っているが、同じ旅館街でも坂の上にあると積雪の影響が大きいようで、建物の横から駐車場へ入る坂の勾配が問題のようで、駅に近い坂の下の組合管理の駐車場へ廻しているケースも少なくなかった。
室内の暖房はどこの宿泊施設にも負けないぐらいの設備が整っているので問題ないが、千草の旅館では全ての客室のテーブルはやぐら炬燵タイプで、長方形の物が設置されていた。
高齢の方々は冷え性を訴える方も多く、寝具の下に敷くタイプの電気カーペット、また上質の電気毛布の貸し出しも案内されており、それを利用される方は想像以上に多かった。
各部屋に加湿器をセッティングしたのは4年前のことだったが、その時にスタッフ会議で提案された「湯たんぽ」も人気がある。
この「湯たんぽ」で気を付けなければならないのが「低温火傷」で、いつもお世話になっている医院の先生からその恐ろしさを教えていただいたこともあり、「湯たんぽ」貸し出しの場合には「危険について」というプリントも添えている。
ホテルや旅館のエアコンには様々あり、昔は一方通行的に吹き出し口から流れることが一般的だったが、エコという問題から各部屋独立というシステムが主流となり、千草の旅館もそうなっているが、高齢のお客様の中にはエアコンの操作が惑われる方もあり、その都度スタッフが参上して対応している。
そうそう、半年前からメニューに加えた朝食の御飯が人気となっている。夕食、朝食共「部屋食」「食事処」「バイキング形式」の選択が可能だが、「粥」「茶粥」「玄米」「白米」の4種があり、自由に選ぶことが出来るのだが、面白いのは普通の御飯の他に「玄米を食べたい」というお客様が多いということで、ご案内のプリントに「お客様の健康を考えました」という一文添えられていることが大きいようで、老若男女を問わず興味を抱かれるようで、「一回食べてみたかった」との動機が多いし、最近の若い女性に人気の麦御飯も始めようかと思っている。
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