ニュースを観ていたら島根県の江津と広島県の三次を結ぶJR「三江線」が来年の9月に廃線となると伝えていた。
それを知って女将の寿美礼(すみれ)は社長である夫と出雲大社へ昨年に参拝した時のことを思い出した。学生時代から鉄道クラブに入会して夫は誰もが知る鉄道ファンで、出雲大社からの帰路、「近い将来に廃線になるかもしれないから」と、この三江線で三好駅までの108キロを利用して来たのである。
そんな夫の予想が当たってしまったことになるが、三次へ行ったのはもう一つ目的があった。三好駅に着くと女将夫婦が昔から交友のある尾道の女性が迎えに来てくれており、車で尾の道へ向かう途中の御調町で彼女の中学校時代の先生夫妻が営まれている蕎麦処「茶話駄」に案内してくれた。
民家の蔵を改修して蕎麦を打っていたが、中々予約も難しいそうだが、休業日にも拘らず対応して貰ったので恐縮して来たので忘れられない。
お会任せコースみたいになっていたが、冷たい蕎麦と温かい蕎麦の両方を味わうことが出来、蕎麦好きの夫が感激していた。
その友人である女性だが、新尾道駅近くに彼女の経営する会社ビルがあり、ブライダルと葬儀に司会者やスタッフを広島や岡山に派遣する仕事で、本人も毎日びっくりする移動をしており、日に3軒の葬儀の司会を担当し、そのままお通夜の式場へ向かうということもあるそうで驚いた。
我々が温泉旅館をやっているところから福山市内にある人気の高いスーパー銭湯にも案内して貰ったが、そこは三丁目の夕日の時代が感じられるコーナーがあって懐かしく感じ、夫が嬉しそうな表情を見せていたことが印象に残っている。
その日の夕方、「絶対にお勧めです」と言われて案内されたのが「広島風お好み焼き」の店で、初めて食べて関西風のお好み焼きとは異なるイメージをはっきりと体感することになった。
宿泊は尾道水道が目の前に見えるホテルだったが、角部屋で景色が広く見えるようにと配慮してくれていたことも嬉しかった。
新尾道駅から名古屋へ戻るのに大変だったのは「こだま」しか新尾道駅に停車しないからで、福山駅、岡山駅などで「のぞみ」や「ひかり」に乗り換える必要があったが、その乗り換え待ち合わせ時間が長いので時間が勿体ない思いがしたことを憶えている。
我々夫婦はJRの「ジパング倶楽部」に入会しているが、「のぞみ」なら割引適用がないところから「ひかり」を選択しなければならないが、山陽新幹線から東海道新幹線につながる「ひかり」となれば運転本数が少ないので大変だった。
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