定年退職を迎えた人物だが、夫婦で行きたかったあちこちの温泉地へ出掛け、教えてくれる旅先での体験談が面白いので紹介しよう。
宮崎のある旅館での夕食時、大きな水槽のある食事処で「定年退職で記念旅行を」と仲居さんに告げると、「記念にどうぞ」と水槽に泳ぐ魚の説明をされたそうで、勝手な思い込みから「サービス」と勘違い。立派な「石鯛」を頼んだら、精算時に驚くほど高額な料金を請求されたそう。
「記念に如何ですか?」と言われたら勘違いをすることもなかったのだろうが、こうなっては後の祭りという現実。黙って支払いを済ませたそうだが、奥さんに頭が上がらないと笑っていた。
大企業の幹部として活躍していたことから高額な退職金を貰ったそうだし、受け取るであろう年金の額も多い筈。羨ましく思いながら別の体験談を聞いた。
別府のある旅館での出来事。夕食前に大浴場へ行こうと鏡台を見たら、手札ぐらいの大きさで写真撮影された特別料理の案内が目に留まり、「お願いします」とフロントに電話を入れたそう。
やがて大浴場から戻るとテーブルの上には夕食の用意がされており、風呂上りの美味しいビールを飲みながら箸を手にした時、「失礼します」と仲居さんが来室、別注した料理を運んで来てくれた。
それを目にした瞬間、本人は「嘘!」と心の中で叫んだそう。注文したのは「ヒラメの薄造りと」と「鯛の塩焼き」だったが、写真から想像していたものと全く量や大きさが異なっており、「こんなにたくさん、大丈夫ですか? これ、いつも4人でお召し上がりになるのですよ」と言われ、早合点で勝手な思い込みをした自分の愚かさに呆れ果て、「母ちゃん、ごめん」と奥さんに謝ったそう。
さて、その二品だが、どう考えても二人では無理。そこで手を付ける前に「仲居さん達で」と、半分を頼んだと言うが、彼は「あの写真では小さな皿で、鯛も小振り見えた」と後悔の念を語り、「そもそも価格の表示がなく『時価』とあったのだから勝手な思い込みをしてしまうではないか」とぼやいていた。
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乗客のコメント
日本人(特に年配の人)は結果が思い通りに行かなかった時、相手の責任にするよりも自分の責任だと笑って受け入れる寛大さがありますね。心のゆとりがあれば怒りも笑いに変えることができるのかも知れません。
大阪ナイツ 大阪府(47)男性 2011/12/31
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