ローマは 猛暑が続いています。
日差しの強さといったらない。屋外へ出て、三・四分もると、肌がジリジリといっているのが判ります。
こういう時期は セランダ(雨戸)を下ろして、高熱の日差しを遮断し、エアコンの中で過ごすしか方法はない。
しかし、エアコンの効いた暗い室内で過ごす日が続くと、人の心理状態は
不健康になる。心の極限状態に近づいてくると言っても過言ではない。
心の極限状態を「登山」を例に取ってみましょう。
もう、三十年も前にエベレスト山で名手登山家たちの間に起きた事実(大喧嘩)として、私の記憶にも残っています。
山頂を目指して、連日の疲れ・酸素不足・睡眠不足・・・
そして、一日二十四時間、顔を付き合わせる・逃げ場のない生活は
人間の地金をむき出しにさせるといいます。
こういう極限状態では 脳の抑制が薄れ、普段なら言わないこと・言ってはならないことを口にしてしまう。そして、行動に走る・・・・
そこで、四六時中一緒にいる仲間の一人の笑い方に妙に腹が立つ。
食事の仕方まで、気に入らない。
あいつの貧乏ゆすりを見るだけでもイライラする・・・・・・
という具合に深まっていく。
山登り仲間として、十年以上も、仲良く付き合って来たもの同士が敵同士になることまで、しばしばあるという。
自分自身で、気づいていなかった憎しみが、溜まりに溜まっていて、身体が生理的にまいった時に、行動となって噴出す例も多いといわれています。
実に危険な人間の「心の状態」です。
ありとあらゆるストレスの多い現代社会、原因はそれぞれに違っていても、このような心理状態に至ってしまうことは、誰にでも起こりえることです。
人間は 喜び・夢をみ・怒ったり・威張ったり、時には悟ったり・・・・しながら生きています。このように人の心というものは 千変万化してさまざまな断面をみせるものです。
人間は皆「不完全」です。
自分自身の不完全さを認められたら、他人を攻撃することなどできる訳がありませんね。
今一度、人間が本来持っている「人間らしい愛」を持って、日頃接している仲間達や家族をみつめてみてはいかがでしょう。
この原稿を書き終えて、コラムにアップする間も無く、今、海の別荘(友人所有)へ、たどり着きました。
トランクは そのままにして。テラスで、思い切りリラックスする。
何も考えないで、ただ・ただ地平線を見つめる。
強い太陽の日差しが、首筋をジリジリと焦がす。
太陽は 人の心をなごませてくれます。
ここに来るまで悩んでいた事も、今は悩みではなくなっている。
生きているという、ただそれだけが、素晴らしく思えてならない。
他に何を望もうか。
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乗客のコメント
大きな自然の中にポツンと置かれると自分の小ささを悟り、大きな自然に畏敬をいだき、謙虚な気持ちで自然と一体となれるように思います。最近そういう体験していないですが、たまには必要です。「他に何を望もうか」という結びに同感です。
大阪ナイツ 大阪府(47)男性 2013/08/12
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