昔、東北方面から寝台列車で上野に着いたり、大阪から寝台急行「銀河」を利用した際、東京駅の八重洲側の地下にあった銭湯をよく利用したものである。
また、人と会うまでに時間があると身嗜みを整える目的で利用したこともあり、数年前に閉鎖されてしまったことを知って寂しい思いを抱いている。
今冬に放映された深夜のテレビ番組で、八重洲口のバスターミナルから深夜に発車する長距離バスの現実を特集していたが、日に75台も運転されているそうで、東名経由は満席状態が続いているとコメントがあった。
所要時間は仕方がないが、新幹線に比較すれば格安感があるし、早朝に到着するから歓迎されているみたいだが、かなり疲れることだけは覚悟しなければならないようで、我々の年代には大変と言えるかもしれない。
地方から東京に到着するバスの利用客にインタビューをしていたが、その中に「どこかお風呂はありませんか?」という質問がいくつかあり、こんな時代に地下の銭湯があればと残念な気持ちになった。
東京に会社を有している友人によると、山手線で移動すれば、東京駅近くの駅界隈に朝風呂を営業している銭湯が数軒あるそうで、彼は時折に利用していると聞いたが、そんな情報をバス会社がサービスとして提供することも喜ばれるだろう。
新幹線にはグランド「ひかり」の時代まで食堂車があった。また在来線の特急列車の一部にも存在していたが、在来線の食堂で友人達とビールを注ぎ合うのは至難の業、横揺れから自分でやるのが常識となっていたことを懐かしく思い出す。
列車を単なる移動手段として考えればスピードが重視されるだろうが、「旅」の一部と思えば食堂車の存在も貴重であった。そんな郷愁を「かたち」として具現化しようと考えられたのが「ななつ星」や「おれんじ食堂」などの列車だろう。
二階建ての新幹線には階下に個室があり、一人部屋、二人部屋、四人部屋などがあったが、泣き声が気になる幼い子供連れの人達には重宝されていたものである。
そうそう、妻が二度と深夜バスには乗らないという恐怖の体験をしているので書いておこう。関東から大阪の阿部野橋行きがあるのを知って初めて利用したのだが、東名高速道路の静岡県内を走行中、何かが焼けているような香りに気が付き<おかしい>と判断、前席の若い男性を起こして確認したら「絶対におかしい」となって彼が運転手に通報。次のパーキングエリアに駐車した時にはエンジンルームから煙が発生。全員の乗客が降車してしばらくすると火災の状態になったというのだから恐ろしい。
バス会社から手配されたタクシーがやって来たのは随分と時間が経過してからのこと。それに分乗した乗客達は浜松駅から「こだま」で大阪に着いたそうである。
そんな深夜に走るバスだが、居住空間をアップさせるために「2+1」の横3人掛けや、全席個室からファーストクラス仕様を売り物にする車両も登場したし、車内で大きなスクリーンで映画が上映されるものや、乗客が大規模なゲームに参加出来る企画を打ち出したバス会社も登場している。
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