前号「ゴルフから」でアメリカで行われている「マスターズ」のことを書いたが、今日2日目で「石川」選手はどうやら予選落ち、「松山」選手は何とか予選通過となりそうだ。そんな一方で、国内では女子プロのトーナメントが兵庫県の花屋敷「よかわコース」で開催中だ。
筆者も昔はゴルフ大好き人間で、この「よかわコース」は記憶に残るコースの一つとなっている。「39・34」という高スコアでのラウンド。もちろんバックティーではないコンペでの出来事だったが、レギュラーティーならそんなスコアが当たり前というハンディキャップを取得していた歴史がある。
そんな嫌われる自慢話を書いたので、恥ずかしい話を書いて融和を図っておこう。
バブルの時代、関東の超名門コースのメンバーさんから招待をいただき、東コースで男子日本オープン、西コースで女子日本オープンが行われたコースへ行った時のことだった。
宿泊するホテルも指定され、六本木のプリンスホテルで宿泊。すぐ近くにあるお寺のご住職が車で迎えに来てくださるというので恐縮し、遅れないようにと目覚ましをチェックし、フロントにモーニング・コールを依頼して興奮で眠れない夜を過ごした。
当日、隅田川に沿っている首都高速を走行し、念願だった超名門コースへ到着した。まず確認したのは宅配で送ったゴルフバッグが届いているかということで、キャディマスター室の横で調べて貰うとすぐに出て来たので安堵した。
その日にラウンドするという東コースのスコアカードを手に取り、メンバーさんと待ち合わせをしていたレストランへ行ったら、先に来られていてコーヒーを飲まれていたのでご挨拶。グラスの水を運んで来てくれた女性スタッフにコーヒーを注文した。
そのコースは、著名な人物によって設計され、関東平野らしい高低差の少ない36ホールとしても有名だった。
しばらく時間が経っても一向に動かれないので不思議に思い、ふと「スタートは、何時ですか?」と聞いたのだが、返されたお言葉にびっくりした。「ここは、スタート時間は決まっておらず、いつでもよいのです」と言われたからだ。
しばらく言葉が出なかった筆者だが、続いて質問したことでもっと驚かされることになり、それは初めて体験した恥ずかしいやりとりでもあった。
スコアカードを見ながら「スタートは、アウトからですか?それともインからですか」と尋ねたら、「ゴルフはアウトスタートに決まっているのです」と言われてギャフンとなった。
やがて東コースの1番ホールに行った。すでにキャディさんがおられ、「今日は、どちらから?」と聞かれたので「大阪からです」と答えたら、そんなことを聞かれたのではなく、バックティーかレギュラーティーかを確認されたようで、メンバーさんが「今日はフルバックから行きます」と返されたので恥ずかしかった。
同伴者に驚くほど飛距離の出る若い人物がいた。均整のとれた体つきで如何にもスポーツ人間の感じ。筆者もかなり飛ぶ方だったが、軽く30ヤードは離されてしまう。そこでメンバーさんに彼のことを尋ねたら、「彼はね、元学習院大学の野球部でピッチャーをしていたから飛んで当たり前だよ」と言われて納得をした。
知っているつもりでも知らない世界がいっぱいあることを学んだ東京ゴルフ旅だったが、もうあれから十数年の月日が流れても、懐かしい記憶として刻み込まれている。
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