「切符のこと」の号で、娘から「認知症では?」と嫌味を言われたと書いたが、その後、もっと酷いミスをしたことがあるので恥ずかしながらしたためよう。
50代後半の寒い冬の出来事だった。夫婦で関東方面へ出掛けていた帰路のこと。東京駅で切符を買う際に、ふと温泉にでもと思い立ったのが午後4時頃。伊豆には時間的に無理なので熱海ということを決め、やがてある旅館に電話を入れて予約をした。
「こだま」で約50分で熱海駅に着き、ホームから階段を降りている時に感じたのが<なぜ?こんなに寒いのだ?>ということ。気が付けば、コートとマフラーを網棚の上に置いたまま降車していたのである。
それに気付いた時、「こだま」はすでに出発してしまった後。そこで携帯で娘に電話、号車と席の番号を覚えていたので対応を頼んだ。
タクシーで旅館に向かっている時、娘から電話が。忘れ物の確認が出来たようで、次の日に名古屋駅の忘れ物扱い所に行くことになって解決したので安堵。昔からコートが嫌いだったところからこんなことになったのだが、この時、こんな偶然がというような酷い目に遭った。
「到着しました」と運転手さんに言われた旅館のイメージが想像と全く違っている。山手だった筈なのに海側に来てしまっている。<何かが変?>と思いながら玄関を入ったら、フロントには誰もおらず、いよいよおかしい?と思い出した。
やがてベルを叩いて出て来られた人物に予約のことを伝えると、「伺っておりません」とのことで<やはり!>と気付いたが、その人物から似通った名称の旅館があることを教えて貰い、仕方なく通り掛かりのタクシーでも止まるだろうと歩き始めた。
この時の寒さは今でも忘れられないほど強烈。さっきの旅館でタクシーの手配を願うべきだったと後悔したが、助かったのは10分ほど経ってから通り掛かったタクシーが止まってくれたから。
「熱海駅から乗車されたタクシーの運転手のミスです。プロだったら必ず確認する筈ですから恥ずかしい限りです。組合に伝えておきます。申し訳ございませんでした」と謝罪さされたが、考えてみればこの運転手さんの責任ではない。やがて到着した旅館、本当に似通った名称だったので改めて驚いた。
部屋に案内され、お茶をいただきながらここまでの経緯を話したら、月に何度か間違えるケースがあると言われたが、まさかコートとマフラーを忘れた時に、こんな目に遭うとは踏んだり蹴ったりという大変な日であった。
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