これまで多くの方々から様々なプレゼントを頂戴したが、そんな中で忘れられない物がふたつある。
一つは長い海外出張から帰国した友人からの物で、立派なケース箱を開けたら、中にあった物は有名なシャンパン。所謂ドンペリと呼ばれる高級品で、貰ったのに失礼この上ない行動だが、興味に駆られ、ネットで価格を調べたら想像もしていなかった高額で驚き、電話で「なぜこんな高価の物を?」と聴いたら、出張でのビジネスが大成功になった祝いのお裾分けというようなことだった。
これを東京の銀座や大阪の北新地の高級クラブで注文したら、それこそ数十万円以上を請求されるだろうが、どんな味わいなのだろうと考えながら、その日が来るのを楽しみにしていたのだが、ある時、友人の主催するゴルフコンペがあり、ゴルフ場からの帰路で飲。酒運転があったらいけないと、市内に会場を予約して表彰式を兼ねた食事会が行われた。
車をガレージに入れ、ちょっと着替えようとネクタイを結んでいた時、ふと思いついたのが例のシャンパン。ずっと飲みたかった私。そこで出席者の乾杯で味わうことにし、会場に着いて送り主本人である主催者に相談したところ、「大歓迎だけど君らしいな」と言われ、そのシャンパンの経緯と私のプレゼントであること、そして「乾杯グラス半分ぐらいずつになるでしょうが、それいっぱいで一万円以上する高価な代物ですから味わってください」と彼が解説したのだから会場がどよめき、乾杯発声が私に指名され、「かんぱ~い」と発言してから飲んだ味は、それこそ美味しくて幸せ感に包まれるものだった。
「これがドンペリの最高級品なのか!」「味わい深いものだ」と皆さんからご機嫌な言葉で感謝されたが、あんなものを生ある内には二度と口にすることは出来ないだろう。
さて、もう一つだが、ご仏縁に結ばれる女性が恵贈くださった誕生日記念に届いた物だが、添えられていたメッセージを読んでから小箱を開封したら、中から出てきた物はミニボトルのブランデー。新幹線の車内販売にあるウイスキーと同じサイズのものであった。
そのブランデーが想像もしなかった逸品であることを知ったのは、それから結構時間が経ってからのこと。何気なくラベルに目をやったら「1947」という私の生まれた年のもだったからだ。
プレゼントするグローバルな配慮から、貰った方が感じるように秘められたサプライズ、それは私のこれまでの人生にあって最も感動した贈り物だった。
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乗客のコメント
自分の主張ばかりを先行する世の中で、そんなスゴい人もいるんですね。
大阪ナイツ 大阪府(47)男性 2012/02/28
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