幸せ列車の「久世栄三郎の世界」でコラムを執筆している久世さんは、かつて“日本一の葬儀司会者”とテレビで紹介されたことがある、業界では有名な人である。
本人に聞いたが、ある大規模な葬儀で司会を務めた時、遺族の中にテレビ関係者の方がいて、久世さんの司会進行と葬儀空間の演出に感動して「テレビに出演してもらえないか」という話になった。
これも縁とテレビ出演したが、その後の反響が大きく、葬儀関連のテーマで番組制作する時は大阪から東京に呼ばれて出向くことが多くなった。それには裏話があって、東京の葬儀社の人に出てもらったところ、視聴者の質問にうまく答えられず番組として失敗したことがあったからである。
その点で久世さんは、知識の深さ、話の面白さ、臨機応変な対応力、どんな状況のどんなシーンでも即興でシナリオ創作できる能力が買われたのである。テレビ局は「久世さんなら安心だ」として、多くの番組でお呼びがかかり出演した。(あの藤本義一さんの11PMにも常連として出ていた)
だがそんな経験ができたのも、本業の葬儀司会で長年培い、磨いてきた技術があってのことであったことは言うまでもない。
その久世さんは現在、大阪市内の葬儀社の会長である。彼が社長だった十七年以上前に、社員として働いていたよくできる女性がいた。その後家庭の事情で退職して気仙沼市に移住した。そして久世さんとは長い間、音信不通になっていた。
そこに一昨年の東日本大震災が襲った。気仙沼は地震と津波と火事で膨大な被害を受け多くの命が奪われた。久世さんは、気仙沼と聞くとその元女性社員のことが思い浮かび「無事でいるだろうか」と消息を気にしながら過ごしていた。それから2年余りの時が流れた。
不思議な偶然が発生したのは7月25日に私が載せた「気仙沼の元気が届く」というコラムであった。それを読んだ久世さんの目が点になったかどうかは知らないが驚いたことは事実だ。
そのコラムの末尾に気仙沼の新聞各紙の紹介記事があり、そこに、それとおぼしき女性の写真があったからだ。知っている人物と姓名ともに同じ、気仙沼という土地、写真からみた面影、この3つが一致した。
そして、昨日だったが、久世さんから「調べてくれないか」という依頼があったので幸せ列車の「出山映子の世界」でお馴染みの出山先生に連絡した。出山先生はその元女性社員の夫の姉である。
出山先生によると、17年ほど前に大阪でご夫婦で住んでいた。しかも、奥さんは大阪の葬儀社に勤めていたことがわかり、これは間違いないと思ったので、そのことを久世さんにメールした。
それにしても不思議なご縁である。平凡な日常の中にあっては奇跡と言える出来事であろう。間違いないだろうが、その通りならば、ぜひ再会を果たしてほしい。どこかにひっかかっていたものが一瞬で取り除ける。これも一つの「幸せ」というものだろう。
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