劇場型?で書いた事件は随分前のことで、警察官が暗証番号を確認することは絶対にないという最近の常識もあり、もしもこれらが今の時代に進化していると想定したら、警察官に扮した人物の言葉は次のようになるだろう。
「我々警察官は暗証番号を確認することは出来ません。被害に遭われた財布には誕生日らしきメモも入っており、それが暗証番号だったらすでに引き出されてる可能性もあります。そこで銀行に連絡しております。店の電話番号も伝えてありますので、しばらくしたらそちらに電話がある筈です。引き出されているか否かは銀行側とのやりとりで確認してください」
そして、やがて銀行側からの電話が。
「A様ですか。警察から電話があり驚きました。取敢えず検挙されたそうでよかったですね。講座から引き出されていないかを確認させていただきます。お客様確認のために、暗礁番号をお願いします」
ここまでやられたら、大半の人が信じてしまうだろう。最近の詐欺の手口は、いよいよ進化して巧妙になっているそうです。被害に遭って嘆き悲しむことのないよう、ちょっと冷静になって客観的な立場から考える余裕が重要な気がしますが、この余裕を与えないのがプロの詐欺師のテクニックと言われ、心に生じる隙間にうまく入り込まれるので厄介なのです。
そんなあなたをターゲットにする電話がいつ掛かって来るかもしれません。どうか落ち着いて対応されるよう願って止みません。
幸せを考える前に、不幸に遭遇しないように行動するということも大切である。
オレオレ詐欺に高齢者の被害が多いそうだが、一方に40年ほど前に問題が表面化した所謂「原野商法」の被害者達が、今、新たなターゲットとなっているニュースもあった。
取材によると、当時の名簿が段ボール一箱50万円で売り渡されたそうだが、その名簿を元に多くの詐欺グループが暗躍すると言うのだから大変ではないか。
中国資本が北海道を買い占めているという問題を背景に、ついその気になって騙されてしまう訳だが、二重の被害に遭っている大半が高齢者なのでお気の毒である。
さて、友人が見事な詐欺の被害に遭った体験談を語ってくれたのだが、<そんな手口が!>と驚くべき劇場型犯罪であり、この「幸せ列車」の訪問者の皆さんに警鐘する思いを込めてしたためよう。
夏の暑い日、数名の仲間達と寿司屋のカウンターに座っていた友人。店内は狭く、後ろを通るのにも椅子を前へ寄せなければ難しいというような店。上着を後方の壁にぶら提げて宴酣という状況だった。
そこで不思議な3人連れが店に入ってきた。10席しかない店内は満席なのに、その連中は奥の方まで入ってきて「満員だな。席、空いてないや」と言って外へ出て行った。
入り口から中を見れば満席の状況が一目瞭然の筈。それが奥の方まで入ってきたことには悪事の目的があった。もうお分かりだろうが、彼らは壁にぶら提げられていた上着の内ポケットを狙っていたのである。
おかしいとは仲間全員が感じていたそうだが、誰もに「まさか」という勝手な思い込みが生まれていた。本当の事件は、ここから起きたのである。
しばらくすると、店の電話が鳴り、オヤジが誰かと話し始めた。「ええ!本当ですか!?」と、そこから絶句するような感じ。やがて仲間の一人の名前を呼び出した。
「Aさんという方がおられますか?」と言われて驚いたのは友人の仲間の一人「A」という名の人物であった。オヤジが「警察からです。何か財布を抜き取った犯人を逮捕したそうで、この店におられるAさんに替わって欲しいそうです」と言うではないか。
そこでハッとして内ポケットを確認したら、入っている筈の財布が消えている。驚いた彼はすぐに電話を替わり、警察の人間と言う人物と話し出した。
「よかったですね。スリ窃盗団を別件の現行犯で逮捕しましたら、そちらの店であなたの財布を掏り取ったと自供しました。キャッシュカードもありますが、銀行の被害確認をしなければなりませんので暗証番号をお願いします」
Aさんは、何の疑いもせず暗証番号を伝えてしまったそうだが、続いて警察の人物と言う相手が次のように言った。
「もう少し店におってください。後ほど被害に遭われた財布を届けますし、その際に現場確認と検証作業を行いますのでご協力を願います」
仲間は、そんなAさんの話を聞きながら、「やはりあの連中はおかしいなと思っていたよ」なんて会話で被害が助かって喜んでいたのである。
それからいくら時間が経っても警察官という人物は来店せず、仲間の一人が「ひょっとして!」と最悪のシナリオを想定して発言をした。
もうご理解をされただろう。つまり、警察官と名乗った人物が掏り取ったグループの一員であり、暗証番号を聞きだすために怪しまれないようにと、店のオヤジをうまく利用したという次第であった。くれぐれも被害に遭わないようにと祈ります。
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伴侶を亡くし、残された立場になってからの平均寿命は、男性5年、女性20年というのだから驚きである。
ご主人に先立たれた奥さんに、一年ほどすると若返ったとか輝き始めたという声もあるが、
一方の男の方は全く反対のケースが多いようで、そんな体験を目の当たりにした出来事があったので紹介を。
奥さんを亡くされたご主人に久し振りに会った。お葬式を終え、初七日を過ぎた頃から毎朝近くの喫茶店で顔を会わすようになっていたが、それは、どうやら朝食をモーニング・サービスで済ませることになられたようで、朝食と作ってくれていた伴侶のいなくなった生活変化のひとつの表れだった。
いつも無言で新聞を読んでおられたご主人だが、その日、店内が込んでいたこともあって「同席、いいですか?」と前に座られた。
「男という者は、本当に弱いものですなあ!」
それが開口一番のお言葉。続いてため息の後の寂しい言葉。それには、ただ頷くことしか出来なかった。
「お寺さんが仰ったのですが、『夫』という字は『二人』と書くんですね。一人になったら夫じゃないんですよ」と言われて沈黙の時間が流れた。
こんな場合、励ますことはよいことではないと言われている。それらは「うつ病」の患者さんへの対応と似ているとも教えられたことがあるが、多くの「決まり事」を責務として日常生活のようにして過ごされることが大切との体験から、「満中陰までの各七日のご法要をしっかりと」と申し上げると「そうですね!」と返された。
上記の「夫」の物語は、お通夜に参列された方々への住職の説教としては悪くないだろうが、当事者には強烈過ぎるとも言える。何気ない言葉が元気を与えたり谷底へ突き落としたりする現実。世の中は「言う側」と「言われる側」とでは180度の異なりがあることも知りたいものである。「幸せ」と「不幸」は、ある意味「諸刃の剣」かもしれませんね。
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