世の中にはびっくりする世界があるものだ。昔、贅を尽くして建設された高級旅館があったが、オープン時に発表された最上級の部屋利用料金が話題を呼んだ。1泊2食付きで一人「50万円」だというのだから衝撃的な金額。二人で宿泊すれば税金とサービス料を入れると「120万円」となるのだから信じられない話。誰か利用したのだろうかと興味を抱いたが、日本を代表する大工さんによる数寄屋造り、国宝級の掛け軸や花瓶から調度品、食器は高額な焼き物や世界的に有名なガラス製品だと聞いたが、そんなものを売り物にしてどうするの?と疑問と抵抗感を抱いていた。
今でもその旅館は存在し営業を続けているが、さすがに一人「10万円」まで下げられている。
どんな世界にも常識と適正価格というものがある筈で、価格破壊を含めて自己満足的な料金設定は問題があると考えたい。
過剰な設備投資、バブル崩壊、放漫経営で倒産に至った多くのホテルや旅館の存在が全国にあるが、それらはあるマニアの世界で「廃墟」と呼ばれて写真が投稿されているサイトとも登場している。
昔、東京で著名な人物に連れられて銀座の一流と呼ばれるクラブに行った。飲むより食べる方がよいと言ったのに、こんな世界もあると「後学」の為にと案内してくれたものだが、その店で衝撃的な「高額」な料金設定を知ったので腹立たしい思いがした。
ちょっと何か食べたいと思っていたら、彼が命じてメニューが出された。その中に「たこやき」があったのでびっくり。そんな私の姿を目にした彼は、「大阪から来ているのだから東京のたこ焼きも試してみたら」と注文してくれた。
メニューに表記されていた料金は3500円。やがてテーブルの上に運ばれて来たたこ焼きは5個入りの一皿だけ。数皿が出されると思っていたらそれだけで、単純計算で1個700円なので参ってしまった。
クラブなのでブランデーやシャンパンで料金が高いのは理解出来るが、たこ焼きでこれはないだろうと思った体験。外に出てからその旨を彼に伝えたら、涼しい顔でそれが銀座だよと言われたので呆れてしまった。
私の小学校高学年の頃、近くに行列の出来るたこ焼き屋さんがあった。ソースを掛けるものではなく、焼きながら刷毛で醤油を塗るというもの。10円で8個もあったことを憶えているし、今でもあの味が忘れられないという友人もいる。それは、まさしく郷愁の味である。
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