一昨日の私のコラムに「欧州でインターネット検索市場の90%を握るグーグルが不当に影響力を行使しているとして、グーグルの影響力を弱めることを目的とした決議案の採決が欧州議会で今日行われる」と書いたが、その結果が出た。
欧州議会は27日、グーグルの分割を求める決議案を採択した。
欧州ではグーグルがインターネット検索市場の約90%を握っており、欧州議会は同社の独占状態に対する警戒感を強めていた。決議はグーグルの欧州での検索事業を、それ以外の事業と切り離すことを求める内容だが、拘束力はなく、規制権限をもつ欧州委員会への勧告にとどまる。
しかし、これはグーグルにとっては予想もしないアクシデントである。
彼らのスタート(創業)は「世界政府に変わる情報基地を作る。但し、それを利用して邪悪なことはしない」というものであった。
当初は純粋な気持ちで前進した。そして巨大な利益を得る企業になった。大きくなると組織が生まれ肥大化するのは避けられない。
そこに人の利害が生じる。邪悪でないことを維持するのは難しい。グーグルも昔の理想からは遠ざかりつつある。それはある程度仕方ないかも知れない。
創業16年にしてグーグルは、大きな憂鬱を、獅子身中の虫を抱えることになった。大きくなって独占すればもっと高い所から“叩かれる”というのがセオリーだ。
これはグーグルの影響力を凌ぐ新興企業が現れるまで続くだろう。かつてのマイクロソフトがグーグルが頭角を表すまでこの問題にひっぱられたように。
さてもう1つ、同じコラムで「将棋の羽生善治名人とチェス世界最強のガルリ・カスパロフ氏によるチェス対局が28日に行われる」と書いたが、こちらも結果が出た。
結果は第1局、第2局ともに羽生名人の敗北。
羽生名人は第2局終局後「途中は結構いい勝負になったと思ったのだが、終盤に力の差を見せつけられた」と話した。カスパロフ氏は対局前に羽生名人の指し手を研究していたらしい。さすがである。
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