「泡姫」「美俺」「金星」と書いて「ありえる」「びおれ」「まぁず」と読ませる。そんな奇妙な名前を子供に命名する人がいる。
キラキラネームと呼ばれるこうした常識的には読めない名前を子供につける親が増えていることがたびたび話題になっている。
キラキラネームをつけられた子供は、自己紹介するときに周りから笑われることが容易に予測されるし、就職活動の際も不利になる可能性も考えられる。
その子が「やさいしい」「おとなしい」性格なら、名前をネタにいじめられる可能性が高いことも容易に想像できる。
しかし、もっと深刻な問題が指摘されている。
キラキラネームは子供の性格に影響するという。ある心理カウンセラーは子供のキラキラネームと性格の関係についてこう述べている。
名前で目立ってしまうので、おとなしく目立たない性格になる
珍しい名前だと、名前で目立ってしまい自己暗示欲が満たされてしまう。たいしたことをしていないのに目立ってしまうことが嫌で、おとなしく、目立とうとしない子になりやすい。キラキラネームをつけられた子どもの中には、普通の名前に改名したいという強い希望を持つ子供もいる。
名前で悩み、うつ病の原因になってしまう
キラキラネームをつけられた子どもは「どうして親はこんな名前をつけたんだろう」「からかわれるのがイヤだ。改名したい」などと自分の名前のことで悩んでしまい追い込まれて鬱病になってしまうケースもある。
名前のせいでいじめの対象になる
子供は時に残酷で、常識からかけ離れている名前をつけられたせいで、いじめの対象となってしまうことがある。そのため病んでしまい、引きこもりや鬱病を引き起こしてしまうこともある。
名前は人格形成に大きく影響してしまう。子供のときはキラキラネームでも「かわいい」で通るが、年を重ねるたびにその感覚はなくなっていく。子供を不幸にしてしまわないよう子供のことを第一に考えた名前をつけてあげよう、と語っている。
全くその通りのなのだが、もう1つ、個人的に違和感を抱くのは歴史上の偉人を子供の名前につけるケースである。「ひでよし」「いえやす」「のぶなが」という天下人の名前はあまり聞いたことがない。
しかし「りょうま」と名付けられた子供は多い。その名前は、幕末に草莽の志士でありながら高い志で戦争を回避する努力を独り孤立しながらも貫き、列国の侵略から国を守り明治維新の礎を築いた偉人の名だ。
その偉人のような人になってほしいと子供に願いを込めている場合もあるだろうが、多くは単に憧れだけの動機でしかないように思う。
その証拠に、大衆の面前で、悪さをしているわが子の名前を連呼して叱っている父親の横で閉口させられたことがあった。偉人の名を呼び捨てにして聞き苦しい言葉で叱っている…まさに耳をふさぎたくなった。
SNSで連鎖のように広がっている「悪ふざけ投稿」とどこかに共通するものを感じる。要するに罪の意識はなく、面白いから、目立ちたいから、なのではないか。
もっと言えば、何か注目を集めないと不安で仕方ない、という悲しき現代IT依存症に蝕まれているということだろう。キラキラ星は元来は煌めく(きらめく)輝きを表す。その「キラキラ」をとって作った造語「キラキラネーム」はキラキラを貶める。
自分の欲望だけで子供の将来を考えない不届きな親が付けるのだから「ギラギラネーム」に変えた方がいい。
コメントはこちらから
あなたの心に浮かんだ「ひと言」が、誰かやあなた自身を幸せに導くことがあります。
このコラム「ギラギラネームに変えたら」へのコメントを投稿してください。