私は就職活動を何回か経験したことがある。一般的には履歴書や職務経歴書を相手の会社に先ず送って、それから書類選考となる。
採用する側にとってその時点では、応募者の資格や職歴から“この人は何ができるのか”というデータを得るのみである。
しかし、組織の中で共に働くことになる以上は応募者の人物、性格などを知っておきたい。ということで、書類選考でOKになった次の段階として「面接」に進むことになりる。
ところが、1度会って採用か否かを決めるのはかなり難しい問題がある。
人は、初対面では誰でも「よそいき」の顔で来るので、人物や性格やその人の評判まではわからないからだ。
求職活動、募集活動では、こういうことが長い間続いてきた。採用したらガッカリということも多いものである。
しかし、ネット社会、とりわけ自分の意見を簡単に発信できる時代になって様相が変わってきた。
今、インターネット上の情報は、就職や大学入学時の重要な判断材料になっているという。
大学の入学審査担当者は、願書以外に情報が欲しい志願者がいると、その名前やメールアドレスを検索するという。
就職や大学入学を考えている人は、ネット上で自分に関してどんな情報が流れているか知っておくべきということだ。
ネット上の良い評判は評価の対象になる。
ブログを書いている人は、その内容を求人相手にチェックされることを覚悟しておく必要がある。
匿名ならば問題はないだろうが、本名を公開している人は、あまり角(かど)の立ったことを書くと...
でもそれはそれで、正しいと信じているならけっこうだが。
朝日新聞に連載されている「福本 豊さんの回顧録」みたいな記事がますます面白くなってきた。世界の盗塁王で、国民栄誉賞・辞退第1号という輝かしい実績を誇る人だ。
1983年(昭和58年)6月に当時の世界記録となる通算939盗塁を達成し、時の中曽根康弘首相から授与を打診されたが、「そんなんもろたら立ちションもでけへんようになる」と言って辞退した。これは本当の話なのか?
私なら「立ちション」のことを隠してでも、もらえるものはもらっておくが...。
その福本さんは最近こう語っている。元巨人軍監督の長嶋さん、元メジャーリーガー松井さんが国民栄誉賞の同時受賞が決定した時のインタビューでの話だ。
「年齢は関係ないと思いますわ。王さん(受賞当時37歳)も、ボクがいわれたとき(38)もほぼ松井と同年齢。松井はマジメやし、野球に取り組む姿勢も青少年たちの憧れにもなれる。ボクが断わったのは年齢が理由ではなかった」
福本氏はノンプロの松下電器から1969年、阪急ブレーブスに入団。1972年にはシーズン106盗塁でメジャー記録を更新。1983年にはルー・ブロックの持っていた通算盗塁記録を抜く939盗塁を達成した。
「松下電器の人を通じて、政府が国民栄誉賞を考えてるって聞いたから、『立ちションベンもできんようになるがな』っていいましたわ。ボクはあの頃、酔っぱらったら(立ちション)してたからね。国民の手本にはならへん、無理や、ということで断わりました」
あの「立ちション発言」は事実でした。
「王さんが世界記録を作ったことで創設されたのが第1号。ボクも世界記録やからということでしたが、ボクには王さんのように野球人の手本になれる自信がなかった。野球で記録を作るだけでなく、広く国民に敬愛されるような人物でないといけないという、当時のボクなりの解釈があったんです」
「ボクは、麻雀はするし、タバコも吸うし、悪いことばかりしてましたから。受賞してたら、ちょっとしたことでも、ああだこうだいわれたり書かれたりするでしょう。他の受賞者にも迷惑がかかるから、やっぱりもらわんで良かったです」
自分を誤魔化すことなく自分に素直に向き合っている。ある程度の年齢になると自分を力以上に膨らませて見せるのが普通なのだが、珍しいひとだ。
だが、彼がこの世界(プロ野球)で大成した理由(わけ)もわかるような気がする。あの小さな身体で。
彼の持つ「天性の素直さ」ではないかと思う。それは阪急ブレーブスに入団した1年目のシーズンが終わった時、西本監督から「お前のスイングはぶれている。オフにもっとバットを振ってこい」と言われて、その通り実践した。
落ちてくる枯れ葉をボールに見立てて毎日ひたすら振った。するとスイングが鋭くなり、2年目のシーズンからはヒットがどんどん生まれた。すると、今までは恐くて走れなかったのが、「今失敗しても次にまた打って走ればいい」というポジティブ思考になった。それが好循環を生んで、2年目に彼は盗塁王となる。
この福本物語はまだしばらく続くだろうが、わくわくしてくる。目が離せない。ご一読をお奨めする。
あの大選手にも、こんな時代があったのか。そして、素直に受け入れてひたむきに行動すると何かが起こることがわかって、悩める人たちにいくばくかの勇気をもたらすと思う。(特に若者はぜひ読んでほしい)
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「何とかしなければ...しかし、いくらあがいてもうまくいかない」そういう経験をお持ちの方は多いだろう。筆者もそのただ中にいてもがいている。
そんな苦しい心を少し和らげる意味で、成功した人の失敗と苦労話を取り上げてみよう。今回はニクラス・ゼンストローム氏の登場だ。
Skype創業者のゼンストローム氏は「わたしは成功した起業家と見られがちだが、その背景にはたくさんの失敗や努力、涙があった」と、名だたる起業家が集まった「新経済サミット2013」で語った。
Skype(スカイプ)は、面倒な契約や難しい設定をせずに気軽にインターネット電話やボイスチャットができるソフトを開発して世界中でヒットさせた。その名も世界レベルで知れ渡っている。
その創業者はこう言う。
「いいアイデアを実現させるまでの道のりは平坦ではない。失敗は早いほうがいい」「すばらしいアイデアがあり、会社を作ってうまくいかなかったとしても、それは失敗ではなく、何かを試して経験を得たということ。その経験を生かし、次に進めばいい。やらない理由はたくさんあるが、機会に集中し、うまくいかなければ、試したことを自分でほめよう」
自分で自分をほめてやる、こっそりとね。それはいい考えだ。誰にも迷惑をかけないから。
「どうせできないとか、うまくいかないとか、周りのノイズに耳を貸さず、これをやると心に決め、自分のやっていることを信じること」
家族や周囲の支え、理解も、起業家を奮い立たせる。「仕事をやめて会社を作ると言った時、妻は『やれば?』と言った。私が年を取り、昔やりたかったことができなかったと愚痴るおじさんにならないようにしてくれた」
これができるかどうかは家族(伴侶)次第ということだが、熱意をもって説得するしかない。いつか(いくら言っても聞かない。もうダメと)あきらめてくれるだろう。その前に三行半の可能性もあるが。。。
スウェーデン出身のゼンストローム氏は「起業家は、最初からグローバルを目指してほしい」と話した。「わたしは大学時代に英国と米国に留学し、国際的な視点が身につき、人生が変わった。外国語を学び、海外に行ってほしい」
今の日本の若者は消極的になっている。若者だけの責任ではない。多少はあるとしても、大部分の責任は、この国の歴代の為政者が創業の国家的意義と自覚持っていなかったからだ。それが日本に起業家が生まれない要因のひとつだろう。
「成功はある日、突然訪れるのではない」ゼンストローム氏にとってSkypeは、3回目の創業だった。最初の起業はP2P音楽ファイル共有ソフト「Kazaa」。音楽業界から訴訟を起こされ、業界から追放された。2つ目は、P2P技術を企業に提供するJoltid。Skypeは、世界に散らばったJoltidのスタッフと無料通話したいというニーズから生まれた。
ゼンストローム氏が運営する投資会社の投資先の1つ「Angry Birds」を開発したRovioも、最初からヒットを飛ばしていたのではない。「Angry BirdsはRovioが52~53番目に作ったゲーム。それまではフィーチャーフォン向けにたくさんゲームを作っていたが大きくならなかった。iOSを使ったシンプルで美しいゲームを作ったタイミングと、iPhoneのクリティカルマスが重なった」
運がないと成功はない。成功の要因は人間の才能や努力も必要だが、むしろ運の要素が大きい。「運100%」という人も知っているが、そこまでいかなくても運が半分以上を占めると思う。
さて、「頑張っているのにダメだ…」と嘆いている人へ伝言。「みんな思っていることは同じ」「成功はある日、突然訪れるのではない」
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