全国的に人気のある熊本県のゆるキャラ「くまモン」が、9月27日の県議会で「行事でのマナーに問題がある」とのお叱りを受けたというニュースがあった。
その特別委員会で、ある議員が「くまモン」が県のPRキャラクターとして成長していることに理解を示す一方で「正式の式典でふざけていると感じる場面がある。礼儀をきちんとさせないとだめだ」と「しつけ」の必要があることを指摘したそうである。
委員会の席上で、どんな言い方をしたかはわからないが、一つだけ間違いないことがある。
この議員さんは(おかわいそうだが)ゆるキャラの意味がわかっていない。ゆるキャラは“人間”ではないのである。マナーができていない“人間”は注意したり叱るべきものだが、キャラクターというのは、中に人間が入っていようと、ロボットが入っていようと、妖精が入っていようと、人間とは別の「個性をもった存在」なのである。
この感覚を理解できない人もいるだろうが、理解できる人は、幼い子供の気持ちを理解しようと努力する人だ。ゆるキャラにすり寄ってくる小さな子供たちは誰も“ゆるキャラ”の中に何が入っているかは詮索しない。
無邪気に無心に着ぐるみに触れて抱きついている子供の姿は天使のように可愛い。それを見つめる(親だけでなく)大人の目は自然に優しさを湛えている。ゆるキャラは人を優しくしてくれる不思議なポテンシャルをもった存在なのだ。
キャラクターが、現場でどのように振る舞うかは、予想できないから、楽しいし、癒しを与えてくれる。そして可愛いと感じる。その個性を抑制することはキャクターの表現の自由を妨げる憲法違反。議員さんがこんなことでは困ったものだ。
今後「くまモン」はおエライさんの指示によって、大人しく振る舞うことだろうが、それでは「くまモン」の魅力がなくなる。「くまモン」さん。センスのない発言は無視して自分らしく今まで通りやろう。
PRキャラクターは元気溌剌、天衣無縫で、お茶目で、いたずらっこ、ちょっとやり過ぎなこともあるが憎めない。くらいでちょうどいい。
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