世界経済フォーラムが発表した「世界男女格差報告」で、日本は対象の136ヶ国中105位だったそうだ。
2006年の調査開始以来最低で、その背景には「夫は外で仕事、妻は内で家事」という役割分担意識が根強いからという。
が、それにはいささか異論がある。「夫は外、妻は内」の概念はこの半世紀ほどで急速に崩れていると思う。理由は一言で済む。日本は戦争と貧困を克服して「平和」を得たからだ。
「夫も妻も外で仕事」がどんどん増えている。景気が悪いので共働きが当たり前という事情もある。だが(まだまだという指摘もあろうが)女性の門戸は広がっている。
私の子供時代と比較すると、現在は女性の社会進出は格段に目覚ましい。かつては男性しか従事しない肉体労働を伴う仕事にも女性が携わってそれに違和感がない世の中になった。
安倍伸三首相は、9月にニューヨークの国連総会演説で「紛争下の地域、貧困に悩む国々でも女性が輝く社会をもたらしたい」と訴え、ヒラリーさんから感謝と激励の手紙をもらったようだ。そのことを自身のFacebookで書いている。
ヒラリー・クリントンさんの手紙内容はこうだ。
「この課題に対する首相の支持について長く注目してきた」「女性による貢献で、日本経済が繁栄するという将来ビジョンを明瞭に訴えてくれたことに感謝する」「私は首相のパートナーであることを誇りに思っており、いかなる方法でも支援していく考えです。前進あるのみ!」
安倍さんは実力者からの想定外の支援に自分の考えに自信を深めたようだ。(因みに、ヒラリーさんは次期大統領として立候補すると言われている)
安倍さんの女性重視の姿勢には賛同するが、私は「紛争下の地域、貧困に悩む国々での女性の活躍」は不可能だと思う。
女性に教育を受けさせない、あるいは女性を差別している国が世界にいくつも存在するが、これらの国や地域に共通するのは、「戦争」か「内乱」か「貧困」にあるという事実だ。
平和でないと女性は輝かないと思う。裏返せば、女性が輝く社会を実現するために「平和」を追求していく以外にないだろう。
女性が社会の様々な分野で活躍する国は、間違いなく「平和な国」と断定していいだろう。今回「世界男女格差報告」の上位は北欧を筆頭に欧州各国が占めている。
北欧の国々の特徴は住みやすい国などのランキングで常に上位にあることでわかるが、例外なく戦争や貧困がないと言う意味で「平和」である。
日本は、女性がのびのびと仕事ができる国をこそ目指すべきだと思う。子供が産まれたら辞めさせるようにもっていく「マタハラ(マタニティ・ハラスメント)」などの問題があり、まだまだ道半ばである。
禅の言葉にある。一山行き尽くせば一山青し(一つの山を越えると前方にはまた青い山が聳えている。越えても越えても山また山の連続である。人生にもしばしば起伏があり紆余曲折がある。しかし、それを艱難と捉えずゆったりと受け入れることが大切である)
ゴールはあるようでないのかも知れない。
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