2009年の販売開始から30万個を売り上げたヒット商品で、紙面に作家・鈴木光司氏のホラー小説が印刷された「世界一怖いトイレットペーパー」が(経済産業省の支援で)英語に翻訳して海外で販売されることになった。
経済産業省は日本の独自性が強い「クールジャパン」商品として販路開拓などを支援するというが、私はこの商品の存在を知らなかった。世間の広さをあらためて痛感したが、製造元の林製紙株式会社の存在がユニーク極まりない。
昭和30年設立で従業員約30人というから典型的な中小企業。ちり紙の製造から始まって1961年にトイレットペーパーの製造を開始した。
ところで、コモディティ(commodity)という言葉がある。必需品、日用品のことを意味するが、経済用語で「コモディティ化」という表現があり、商品が競争を経て時を経て社会に空気のような存在として飽和状態に供給されるようになった結果、メーカーごとの特徴や差別化ができなくなった商品のことを指す。
トイレットペーパーなどは「コモディティ化」した商品の最たるものと思ってきたが、林製紙は「コモディティ化」したわれわれの脳みそ(思考)を“世界一怖い”発想力で破壊してしまった。
これまでにも数々の独創的な商品を発売している。子どもへの虐待をなくす運動「オレンジリボン運動」を広げているNPO法人・児童虐待防止ネットワーク監修による啓発用トイレットペーパー。
商品を購入すると、東日本大震災災害支援活動に役立てるために1個につき1円を日本赤十字社に寄付する義援金トイレットペーパー。
それぞれの家庭で無理なくできる節電メニューを紹介する節電アクションのトイレットペーパーなど、矢継ぎ早にユニークな商品を発売している。
「世界一怖いトイレットペーパー」は社長の林浩之氏が作家の鈴木氏に直談判し、短編小説「ドロップ」を書き下ろしてもらって製品化していた。行動力が凄まじい。日本円で1個200円ほどで売り出す予定。安いトイレットペーパーの10倍ほどするが土産や景品としても売れると見込んでいる。
トイレに行くのが楽しみになるトイレットペーパー。夢ある商品は元気な中小企業から生まれていた。この発想力には「コモディティ化」も裸足で逃げざるを得ない。
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