今日は イタリア生活には 欠かすこのできない「ワイン」について、お話させて頂きたいと思います。
と言いましても、私はソムリエでもなければ、ましてはワイナーでもありませんが、こよなくワインを愛し、二十数年間、一日たりともワインを欠かしたことがないというイタリアの一庶民として、お話をさせて頂ければ幸いです。
ワインという物は 単なるアルコール類の嗜好飲料ではありません。
ワインは高価な物からハウスワインの域に至るまで、ランクはあっても、
ワインとしての価値には変わりはありません。
私個人としましては 「高価だから美味しい・価値がある。」という感覚には
少々疑問を感じるところです。
イタリアのワインに関して言えば、一本につき5ユーロ位がハウスワインの域。
10ユーロも出すと、興奮するほど満足のいくワインを手にすることもできます。
20ユーロを出しても、「あの時の12ユーロの方が、倍も美味しかった・・」
という事も多々あります。
100ユーロも出すと、さすがに、名物の年代物になり、
「なるほどーーーーーお ! うーーーーーん・・・・」と全員言葉を失う。
そして、グラスを右に左にと回しつつ、下の上にワインをコロコロと
転がし喉仏を鳴らすことになることは確かです。
が、このクラスのワインは 我々庶民に取りましては特別なランク。
特別な贈り物として、よそ様から頂く物で、自分では購入するレベルでは
ありません。
一本につき、10ユーロ前後の予算で、赤か白か・好みのブドウの銘柄・
産地・何年物かを基に。その時々の必要性に応じて、楽しみながら購入するというのが一般でしょう。
勿論、スーパーマーケットで購入するよりも、街角に在る小さな専門店で、
自分の好みを伝え、その上で店主からアドバイスを聞きながら選ぶ方が、満足のいくワインを確かに手に入れることができます。
ワインは食事中でも、食事の前でも・後でも。(何時も)
大切に・ゆっくりと・ゆっくりと、一つ一つのグラスに、軽く六分目位に
注がれます。(グラスが大きければ、もっと少なめに・・)
決して、ビールを注ぐような感覚で「ドドドドドオーーーーーっ! 」と
「グラスになみなみ」にという下品な注ぎ方は間違ってもなさらないで
頂きたいものです。
ワインは グラスに注がれ、そこで初めて空気と触れ合うのです。
グラスを軽く右に左にと回して、空気とワインを抱き合わせてみる・・・・・・・・・
そこから、そのワインの持っている可能性が最大に広がり、
私たちを楽しませてくれるのです。
香りがわき立ち、更に「ボン・ビーノ・ロッソ」(美味しい赤ワイン)などは
究極の魅力を発揮してくれるのです。
私はボン・ビーノ・ロッソは食事中というよりも、
アペルティーボ(食事の前の飲み物)として、生ハムの数切れ、または
チーズのゴルゴンゾーラかアジアゴをお供に。
チーズも生ハムも無ければ、胡桃やひまわりの種で結構。
ほんのひと時、日ごろの苦悩を忘れて、心から酔いしれる・・・・・
イタリア人の夫も毎日、昼食・夕食時には赤ワインを欠かしませんが
グラスに六分目で終わりです。
そうそう、イタリア人は酔うまで飲むという、飲み方はしません。
勿論例外はありますが、普通は四・五人で一本のワインが足りてしまう
のです。
食事中に 次のお料理へ移る前に、口を洗い流すというのが目的ですから。
そして、あくまでも「嗜む」という度合いです。
ですから、テーブルを囲みながら、ワインで、議論が弾むのです。
ワインを飲んで喧嘩は ありえません。
ワインで「仲良くしましょう。」という
ワインが生まれて持った特質を発揮してくれるのです。
自宅に招かれたり・招いたり。
そして、テーブルを囲み、ワインと共に親交が深まっていきます。
これが 「イタリアのワイン文化」言えるでしょう。
さてと、今夜は 蒸し暑いので、カベルネエのサラッとした赤を
少々頂くとしよう。
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乗客のコメント
「イタリアのワイン文化」エレガントですねえ。
こちとらにはユーロの価値がピンとこないので、円換算して想像しております。っと!これが一番エレガントではありません 失礼。
こちとらにはユーロの価値がピンとこないので、円換算して想像しております。っと!これが一番エレガントではありません 失礼。
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